Microsoftの認定資格は、入門のファンダメンタル、実務向けのアソシエイト、その上のエキスパートの3段でできています。最初の1本は、仕事で触るサービスに合わせて決めれば迷いません。
迷う人が多いのは、ファンダメンタルに5本あり、どれから受けるべきか見えにくいからです。この記事では5本の違いと、そこから先の進み方を順に説明します。
Microsoft認定資格は3段でできている
名前の見分け方から入ります。試験名の先頭2文字が分野を表し、後ろの数字は試験の番号にすぎません。たとえば AZ は Azure、SC はセキュリティ、PL は Power Platform、DP はデータ、AI は人工知能を指します。
3段の違いは次のとおりです。
- ファンダメンタル:前提資格なしで受けられる入門。仕組みと用語を問う
- アソシエイト:特定の職種の作業を問う。管理者、開発者、アナリストなど
- エキスパート:設計や統括など、上級の判断を問う
ファンダメンタルは「何のサービスか」を答える試験。アソシエイトは「どう設定するか」を答える試験です。この差が、勉強時間の差にそのまま出ます。
ファンダメンタルは5本。分野で選ぶ
現在、資格道場で問題集を用意しているファンダメンタルは5本です。いずれも試験時間は45分で、合格ラインは1,000点満点中700点です。
| 試験 | 分野 | 向く人 |
|---|---|---|
| AZ-900 | Azureの基礎 | クラウド未経験者、インフラ志望 |
| DP-900 | データの基礎 | データ分析、DB方面に進みたい人 |
| SC-900 | セキュリティとID | 情報システム部門、セキュリティ志望 |
| PL-900 | Power Platform | 業務を自動化したい事務職、企画職 |
| AI-901 | AIの基礎 | AIを使う側、作る側の入口に立つ人 |
どれも有効期限はありません。一度取れば更新する必要はありません。
迷ったら、AZ-900から始めてください。リソース、サブスクリプション、リージョンといった言葉は、他の4本でも前提として使われるからです。AZ-900で土台を作ると、後の4本が読みやすくなります。勉強の進め方は AZ-900の勉強法と勉強時間 にまとめています。
取得の順番はどう決めるか
5本すべてを取る必要はありません。目的別に、最初の1本と次の1本を決めます。
- Azureでインフラを触る仕事:AZ-900 → AZ-104
- データ分析の仕事:AZ-900 → DP-900 → PL-300
- セキュリティの仕事:AZ-900 → SC-900 → SC-300 または SC-200
- 業務の自動化や内製:PL-900 → PL-300
- AIを使った開発:AI-901 → AI-103
Azureの3本の順番は意見が分かれます。AZ-900、AI-900系、DP-900の順が定番とされますが、実際の仕事に近い順で構いません。Azureファンダメンタル取得順 で、順番ごとの向き不向きを比べています。
AZ-900とDP-900で迷う場合は、AZ-900とDP-900、どちらを先に受けるべきか を読んでください。仕事でデータを扱う頻度で決められます。
AI分野は試験が入れ替わった
AI分野だけは注意が必要です。旧試験のAI-900とAI-102は、2026年6月30日で受験終了になりました。後継はAI-901とAI-103です。
AI-901は、旧AI-900より「作る側」に寄っています。Pythonのコードを読む力や、Microsoft Foundryでの実装が問われます。AI-900時代の教材で学ぶと、範囲が合いません。違いは AI-900とAI-901の違い で詳しく見られます。
ファンダメンタルからアソシエイトへ進む
アソシエイトは、職種ごとに試験が分かれています。ファンダメンタルを取った人が次に狙う、代表的な試験は次のとおりです。
- AZ-104(Azure Administrator):Azureの運用管理者向け。最初のアソシエイトとして最も選ばれる
- SC-300(Identity and Access Administrator):IDとアクセス管理
- SC-200(Security Operations Analyst):脅威の検知と対応
- PL-300(Power BI Data Analyst):データの可視化と分析
- AZ-104の次に開発側へ寄せるなら AZ-204 などもある
ファンダメンタルと違い、手を動かす経験なしでは解けません。AZ-104の勉強法は AZ-104の勉強時間と勉強法 にあります。無料枠でAzureのリソースを実際に作りながら進めると、用語が頭に残るからです。
SC-900を取った人は、SC-300の勉強法 へ進めます。SC-900で出てきたMicrosoft Entraが、そのまま試験の中心になるためです。
アソシエイトの資格は永久ではありません。更新は公式サイト上の無料の評価で行います。時期や手順は変わることがあるので、取得後に公式ページで確認してください。
エキスパートは、アソシエイトを取ってから考える
エキスパートの代表は、AZ-305(Azure Solutions Architect Expert)です。設計の判断を問う試験なので、アソシエイトの知識なしでは解けません。ファンダメンタルから直接狙う人は多くありません。
AZ-305の受験には、AZ-104の取得が条件になる場合があります。最新の前提条件は、受験前に公式サイトで確認してください。目安の勉強時間は AZ-305の勉強法と勉強時間 にあります。
3つの段で変わる勉強の中身
段が上がるほど、勉強の中身は同じではありません。
ファンダメンタルは、読んで問題を解けば届きます。用語の定義と、サービスの使い分けが中心だからです。アソシエイトでは、画面を操作した経験が点に直結します。エキスパートでは、要件から構成を選べなければ解けません。
だからファンダメンタルの段階では、問題を解いて間違えた分野だけ読み直す往復が向いています。アソシエイト以降は、無料枠で手を動かす時間を週に何時間か確保してください。
資格道場の問題集を使うなら
資格道場では、AZ-900、DP-900、SC-900、PL-900、AI-901の問題集を用意しています。各試験の概要は /shikaku/az-900 のように、資格名のページから見られます。試験時間や合格ラインを本番に合わせた模試形式。間違えた分野の洗い出しに使えます。
よくある質問
Q. ファンダメンタルを飛ばして、いきなりアソシエイトを受けてもよいですか。
受けられます。前提資格はありません。ただし、AZ-104のように手を動かす前提の試験は、クラウド未経験だと用語の理解で止まります。未経験ならAZ-900を先に挟むほうが、結果として早く進みます。
Q. ファンダメンタルの受験料はいくらですか。
金額は、受験する国と地域によって同じではありません。申し込み画面で金額が表示されるので、受験前に確認してください。為替や改定で変わることもあるため、公式サイトで要確認です。
Q. ファンダメンタルの資格に有効期限はありますか。
ありません。Microsoftの案内では、基礎系の認定は失効しません。アソシエイトとエキスパートは有効期限があり、更新が必要です。
Q. ファンダメンタルは日本語で受験できますか。
AZ-900、DP-900、SC-900は日本語で受験できます。AI-901も日本語を含む13言語に対応しています。PL-900も12言語の提供で、日本語は外れていません。言語の追加や変更は公式の試験ページで確認してください。
Q. 5本全部を取る意味はありますか。
履歴書の見栄えを目的にするなら、1本か2本で十分です。目指す職種の資格以外は、選ぶ必要はありません。仕事の幅を広げたい場合に限って、隣の分野の1本を足すのが現実的です。
Microsoft、Azure、Power Platform は米国Microsoft Corporationの商標です。本教材は公式の学習ガイドの内容を基に作成しました。