結論:選択は本番で決めるものではありません
応用情報技術者試験(AP)の科目Bは、11問中5問を解答する記述式の試験です。「情報セキュリティ」1問は必須で、残り10問から4問を自分で選びます。試験時間は150分。
そして最初に押さえておくべきことがあります。選択の巧拙が得点に直結する以上、本番の場で問題文を読んでから決めるのでは遅いということです。
150分で5問。問題文を全部読んでから吟味していては、書く時間がなくなります。事前に「自分はこの分野で戦う」という2〜3本の候補を決めておき、本番ではその候補の中で相性の良いものを拾う── これが現実的な進め方です。
そのために必要なのが、過去問で自分がどの分野なら安定して得点できるかを早めに把握しておくことです。これは知識の問題ではなく、計測の問題です。
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科目Bの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数・試験時間 | 11問中5問を解答・150分(「情報セキュリティ」1問は必須、残り10問から4問を選択) |
| 出題形式 | 記述式 |
| 合格ライン | 100点満点中60点以上(素点方式) |
| 実施方式 | 2026年度からCBT方式(全国のテストセンター)。前期(2026年11月頃)・後期(2027年2月頃)の年2回実施予定 |
| 受験料 | 7,500円(税込) ※2026年7月時点 |
2026年度からCBT方式に移行し、呼称も「午後」から「科目B」に変わりましたが、IPAの公式発表によれば出題形式・出題数・試験時間・採点方式・合格基準そのものは変更されません。選択制であることも変わりません。
大前提:科目Aが基準に届かないと採点されません
科目Bの選択戦略を考える前に、外せない仕様がひとつあります。
応用情報は多段階選抜方式を採っています。科目Aが基準点に満たない場合、科目Bは採点されずに不合格となります。
つまり、科目Bの選択をどれだけ精緻に設計しても、科目Aで止まれば答案は開かれません。 学習時間の配分としては、まず科目Aを確実にすることが先です。科目Bの選択練習は、科目Aの目処が立ってから始めても間に合います。
科目Aは80問・150分の多肢選択式で、合格ラインは同じく100点満点中60点以上。配点はテクノロジ系が約62%(80問中50問)、マネジメント系が約13%(80問中10問)、ストラテジ系が25%(80問中20問)です。模試での正答率を安定して7〜8割以上に上げておくと、科目Bの採点対象に入るための土台が固まります。
選択候補の絞り方
手順1:全分野を一度ずつ解いて、素点を記録する
まず、選り好みせずに一巡してください。得意そうという印象と、実際に点が取れるかは別です。記述式では「分かっているのに書けない」という落ち方が普通に起きます。
記録するのは正誤だけでなく、次の3点です。
- 素点(どれくらい書けたか)
- 所要時間(150分で5問なので、時間超過は選択から外す理由になる)
- 詰まった場所(知識が無くて止まったのか、日本語にできなくて止まったのか)
手順2:安定して取れる分野を2〜3本に絞る
一度解いただけでは「たまたま」が混ざります。候補分野は複数回解いて、素点が再現するかを確認してください。1回だけ高得点が出た分野は候補になりません。
そして候補は2〜3本に絞りすぎないでください。本番では10問中4問を選ぶので、候補が2本しかないと「両方とも相性の悪い出題だった」場合に逃げ場がなくなります。4問選ぶために、候補は5〜6分野あると安心です。
手順3:本番の読む順番を決めておく
候補が決まったら、本番でどの順に問題文を読むかまで決めておきます。150分の中で「どれを選ぶか」に使える時間は限られています。
- 必須の情報セキュリティを最初に処理する
- 次に第1候補・第2候補の分野を読む
- 明らかに相性が悪ければ、第3候補以降へ移る
この順番を決めておくだけで、本番の判断が速くなります。
記述式で失点しないための3点
選択と同じくらい効くのが、書き方です。記述式は、知識があっても書き方で削られます。
1. 問われた形で答える 「理由を述べよ」なら理由の形で、「〜する目的を答えよ」なら目的の形で。設問の末尾の動詞に合わせて文末を作ってください。内容が合っていても、問われた形になっていないと減点されます。
2. 字数指定を守る 指定字数は「そのくらいの情報量で書け」という指示です。大幅に短いなら要素が足りておらず、大幅に長いなら焦点がぼけています。
3. 本文中の言葉を使う 記述式は自由作文ではありません。問題文中の用語・条件をそのまま使って組み立てるほうが、採点者にとって過不足が判定しやすい答案になります。自分の言葉に言い換えると、意図した要素が伝わらないことがあります。
CBT移行で変わること
2026年度からCBT方式になるため、記述の解答も画面上で入力する形になります。手書きで書く場合とは、時間の使い方が変わります。
- 書き直しがしやすいぶん、書き始めのハードルは下がります
- 一方で、全体を俯瞰しにくいため、書きながら構成を組み立てる進め方は難しくなります
対策として、書く前に骨子を短くメモしてから入力する癖をつけておくと安定します。配布される用紙などに要素だけ書き出し、それを文にする、という二段階です。
なお、出題内容そのものはCBT移行で変わりません。学習の設計を組み直す必要はありません。
よくある質問
Q. 応用情報の科目Bは何問選ぶのですか?
11問中5問を解答します。「情報セキュリティ」1問が必須で、残り10問から4問を選択します。試験時間は150分です。
Q. 選択する分野は事前に決めておくべきですか?
候補は事前に決めておくべきです。150分で5問を解く必要があるため、本番で全問を読んでから吟味する余裕はありません。ただし候補を2本まで絞りすぎると、相性の悪い出題に当たったときに逃げ場がなくなります。5〜6分野を候補にしておくと安心です。
Q. 科目Bの対策から始めてもいいですか?
おすすめしません。応用情報は多段階選抜方式で、科目Aが基準に満たない場合は科目Bが採点されずに不合格となります。科目Aの目処を立ててから科目Bに入るほうが確実です。
Q. 科目Bの合格ラインは何点ですか?
100点満点中60点以上です(素点方式)。科目Aも同じく100点満点中60点以上で、両科目の基準を満たして合格となります。
Q. 2026年度のCBT移行で科目Bの形式は変わりますか?
IPAの公式発表によれば、出題形式・出題数・試験時間・採点方式・合格基準そのものは変更されません。変わるのは実施方式(紙→CBT)と呼称(午後→科目B)です。解答の入力が画面上になる点は、演習で慣れておくとよいでしょう。
まとめ
- 科目Bは11問中5問・150分の記述式。情報セキュリティ1問が必須、残り10問から4問を選択
- 選択は事前に候補を決めておく。本番で全部読んでから吟味する時間はない
- 候補は5〜6分野。2本に絞りすぎると相性の悪い出題で逃げ場がなくなる
- 大前提として、科目Aが基準に届かないと科目Bは採点されない(多段階選抜方式)
- 記述式は問われた形で・字数を守り・本文の言葉で書く
- 合格ラインは100点満点中60点以上、受験料は7,500円(税込)
資格道場の使い方
科目Bの選択戦略を機能させる前提は、科目Aを確実に基準へ乗せることです。ここが崩れると、科目Bの答案は開かれません。
資格道場では応用情報技術者試験の科目A(多肢選択式)に対応したオリジナル問題集を、本番CBT準拠の形式で用意しています。
- 1問ずつ正誤と解説を確認できます。解説は要点だけに絞っています
- 第1回の模試は無料の会員登録ですぐ解けます ── 科目Aの現在地を測ってから、科目Bに進む時期を決められます
- 第2回以降は買い切りで、月額の課金はありません。内容を改定した場合も追加料金なしでそのまま使えます
なお、科目B(記述式)の対策は問題集に含まれません。科目Bは別途、過去問等での対策をおすすめします。この記事で書いた選択戦略も、過去問での計測を前提としています。
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参考(一次情報)
- IPA 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験(試験要綱・シラバス・実施方式)
※ 本記事は2026年7月時点のIPA公式情報をもとに作成しています。試験仕様・実施時期・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。