結論:迷っているなら基本情報から。飛ばせるのは条件付き
基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)は、受験資格の上下関係がありません。FEを持っていなくてもAPは受けられます。
そのうえで、どちらから受けるかは次の1点で決まります。
- プログラミングやITの実務経験がほとんどない → 基本情報(FE)から
- 実務でコードや設計に触れている/情報系の学習経験がある → 応用情報(AP)から直接でも成立する
理由は難易度そのものではなく、受験の機会が年に何回あるかです。FEは通年で随時受験でき、落ちてもすぐ次を組めます。APは年2回しかありません。土台が固まっていない状態でAPに挑むと、次の機会まで数か月待つことになる── この時間の重さが、順番を決める実質的な理由です。
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6点で比較する
| 項目 | 基本情報(FE) | 応用情報(AP) |
|---|---|---|
| 難易度(当サイトの区分) | Level 2 | Level 4 |
| 科目A | 60問・90分(うち採点対象は56問) | 80問・150分 |
| 科目B | 20問・100分 | 11問中5問を解答・150分 |
| 科目Bの形式 | 多肢選択式(擬似言語による読解・トレース) | 記述式(情報セキュリティ1問必須+10問から4問選択) |
| 合格ライン | 科目A・科目Bともに1,000点満点中600点以上 | 科目A・科目Bともに100点満点中60点以上(素点方式) |
| 採点方式 | IRT(項目応答理論)方式(問題ごとの配点は一律ではない) | 素点方式・多段階選抜方式 |
| 実施方式 | 通年CBT(テストセンターで随時) | 2026年度からCBT・年2回(前期2026年11月頃/後期2027年2月頃) |
| 受験料 | 7,500円(税込)※2026年7月時点 | 7,500円(税込)※2026年7月時点 |
| 勉強時間の目安 | 150〜200時間・2〜3か月 | 200〜500時間・3〜9か月 |
難易度の区分は当サイトが資格自体の難しさに付けているもので、**Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関)**の5段階です。
受験料はどちらも同額です。費用では選べません。
違いその1:科目Bの性質がまったく違う
見落とされやすいのがここです。同じ「科目B」でも、FEとAPでは解く行為そのものが違います。
FEの科目Bは多肢選択式で、擬似言語(疑似コード)の読解とトレースが中心です。出題の約80%がデータ構造及びアルゴリズム、約20%が情報セキュリティ。特定のプログラム言語ではなく擬似言語に統一されているため、C・Java・Pythonのどれを知っているかは問われません。求められるのは、コードを1行ずつ手で追って変数の中身を正確に把握する精度です。
APの科目Bは記述式です。11問のうち「情報セキュリティ」1問が必須で、残り10問から4問を自分で選びます。読むだけでなく、日本語で説明を書く力が必要になります。そして選択制であるがゆえに、どの分野を選ぶかの巧拙が得点に直結します。
この違いは、対策の中身がまったく別物になることを意味します。FEの科目Bで身につけたトレースの精度は、APの科目Bにそのまま流用できるものではありません。
違いその2:採点の仕組みと「止まる場所」
FEはIRT(項目応答理論)方式で、1,000点満点中600点以上が両科目の基準です。問題ごとの配点は一律ではないため、正答率と得点は単純に一致しません。
APは素点方式で、100点満点中60点以上が両科目の基準です。そしてAPには多段階選抜方式という仕組みがあります。科目Aが基準に満たない場合、科目Bは採点されずに不合格となります。
APを受けると決めたなら、この一点が学習順を決めてしまいます。科目Bの記述をどれだけ磨いても、科目Aで止まれば答案は開かれません。科目Aを先に、確実にというのがAPの鉄則です。
違いその3:受験機会の数 ── ここが順番を決める
FEは通年CBTで、希望日時・会場を選んで随時受験できます。仕上がったタイミングで受けられますし、うまくいかなくても計画を組み直しやすい。
APは2026年度からCBT方式へ移行しますが、実施は前期(2026年11月頃)・後期(2027年2月頃)の年2回の予定です。CBTになっても通年随時にはなりません。
つまり、APは1回の受験機会の重みがFEより格段に大きい。ここが「迷っているならFEから」の実質的な根拠です。FEで一度、試験そのものの型(科目A・科目Bという構成、CBTでの解き方、時間配分)を通しで経験しておくと、APの1回を無駄にしにくくなります。
基本情報を飛ばしてよい条件
次の3つがそろっているなら、APから直接挑む判断は十分に成立します。
- 擬似言語やコードの読み書きに抵抗がない(APの科目Aにもアルゴリズム分野が含まれます)
- ネットワーク・データベース・セキュリティの用語が、説明を読めば理解できる水準にある
- 不合格でも数か月待てる時間的な余裕がある
逆に、3つ目が満たせない場合──「今年度中に何か1本ほしい」といった事情がある場合は、通年で受けられるFEのほうが目的に合っています。
よくある質問
Q. 基本情報を持っていないと応用情報は受けられませんか?
受けられます。FEとAPに受験資格の上下関係はなく、いきなりAPを受験することも可能です。ただしAPは年2回の実施で、1回の機会の重みが大きい点を踏まえて判断してください。
Q. 基本情報と応用情報で、勉強時間はどれくらい違いますか?
一般的な目安として、FEは150〜200時間・2〜3か月、APは200〜500時間・3〜9か月と言われることが多い試験です。FE合格者や実務経験者であればAPも200時間前後で合格する例が多いとされます。いずれも公式の基準ではないため、目安として扱ってください。
Q. 合格ラインはどちらが厳しいですか?
基準の表し方が違うため単純比較はできません。FEは1,000点満点中600点以上(IRT方式)、APは100点満点中60点以上(素点方式)です。ただしAPには多段階選抜方式があり、科目Aが基準に届かないと科目Bが採点されない点は、FEにはない厳しさです。
Q. 受験料はどちらが高いですか?
どちらも7,500円(税込)です(2026年7月時点)。改定されることがあるため、お申し込み前にIPA公式サイトでご確認ください。
Q. 応用情報の科目Bは、基本情報の科目Bと同じ対策でいいですか?
いいえ。FEの科目Bは多肢選択式で擬似言語のトレースが中心、APの科目Bは記述式で11問中5問を選択する形式です。求められる力が異なるため、対策も別に組む必要があります。
まとめ
- 受験資格の上下関係はない。FEを飛ばしてAPから受けることは可能
- 決め手は難易度より受験機会の数。FEは通年CBT、APは年2回(前期2026年11月頃/後期2027年2月頃)
- 科目Bの性質が別物 ── FEは擬似言語のトレース(多肢選択式)、APは記述式・11問中5問の選択
- APには多段階選抜方式があり、科目Aが基準に届かないと科目Bは採点されない
- 受験料はどちらも7,500円(税込)。費用では選べない
資格道場の使い方
どちらを選んでも、科目A(多肢選択式)は演習量がそのまま得点になる科目です。資格道場では基本情報技術者試験・応用情報技術者試験それぞれのオリジナル問題集を、本番CBT準拠の形式で用意しています。
- 1問ずつ正誤と解説を確認できます。解説は要点だけに絞っています
- 第1回の模試は無料の会員登録ですぐ解けます ── 2つを解き比べて、いまの自分に合うほうを選べます
- 第2回以降は買い切りで、月額の課金はありません
なお、応用情報の問題集は科目A(多肢選択式)に対応しています。科目B(記述式)の対策は含まれません。
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参考(一次情報)
- IPA 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験(試験要綱・シラバス・実施方式)
※ 本記事は2026年7月時点のIPA公式情報をもとに作成しています。試験仕様・実施時期・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。