結論:SC-900は「概念を先に、製品名を後に」で受かる
SC-900(Microsoft Security, Compliance, and Identity Fundamentals)は、セキュリティ・コンプライアンス・IDの基礎をMicrosoftの製品群と結びつけて問う入門資格です。試験時間は45分、合格ラインは1〜1,000のスケールスコアで700点。前提資格はありません。
最短ルートは3段です。
- 配点10〜15%の「概念」を最初に固める(共同責任モデル・多層防御・ゼロトラスト・認証と認可・フェデレーション)
- 配点の重い2領域(Microsoftセキュリティソリューション 35〜40% + Microsoft Entra 25〜30%)を、概念と対応づけながら入れる
- 問題演習で「どちらか」を選ばせる出題に慣れる ── 名前の似た機能の対が合否を分けます
順番が逆になると、製品名の丸暗記になって崩れます。第1領域は配点が最小ですが、残り3領域の説明で前提として使われるため、ここを飛ばすと配点85%側の説明が半分素通りします。
SC-900の問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | SC-900: Microsoft Security, Compliance, and Identity Fundamentals(Microsoft セキュリティ、コンプライアンス、ID の基礎) |
| 運営 | Microsoft |
| 試験時間 | 45分(説明・同意確認などを含む着席時間は65分) |
| 問題数 | 試験ごとの数は非公表(公式は「Microsoft認定試験は通常40〜60問」と案内) |
| 合格ライン | 700点(1〜1,000のスケールスコア) |
| 試験言語 | 日本語で受験できます(英語ほか全13言語に対応) |
| 受験方法 | ピアソンVUE経由(学生・教育関係者はCertiport経由も可) |
| 認定の有効期限 | なし(基礎=Fundamentals認定は失効せず、更新不要) |
| 出題範囲の版 | Skills measured as of July 28, 2026 |
受験料は、Microsoftの基礎(Fundamentals)帯に共通の価格です。SC-900の試験ページは金額が国・地域ごとの動的表示になっており、本記事の確認時点でSC-900単独の円建て実額は取得できませんでした。お申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。
勉強時間の目安(経験別)
| タイプ | 目安 |
|---|---|
| セキュリティ・ID の業務経験あり | 約1週間(1日1時間程度) |
| 他のIT/クラウド経験あり(AZ-900 取得済みなど) | 約2週間 |
| IT・セキュリティ未経験 | 約3〜4週間 |
一般に15〜25時間前後が目安とされることが多い試験です。公式の基準ではないので、目安として扱ってください。範囲は広いものの1問ごとの深さは浅く、「この要件なら、どの機能か」を選べる状態が到達点になります。
SC-900の出題範囲と配点(公式・2026年7月28日版)
| 出題領域 | 配点 |
|---|---|
| セキュリティ、コンプライアンス、ID の概念について説明する | 10〜15% |
| Microsoft Entra の機能について説明する | 25〜30% |
| Microsoft セキュリティ ソリューションの機能について説明する | 35〜40% |
| Microsoft コンプライアンス ソリューションの機能について説明する | 20〜25% |
最大は「Microsoft セキュリティ ソリューション」の35〜40%。次に重いのが「Microsoft Entra」の25〜30%で、この2領域だけで全体の6〜7割です。学習時間の配分も素直にここを厚くするのが効率的です。
2026年7月28日の改定では、4つの大分類の名称と配点比率はいずれも変更なし(公式のChange logで「No change」)。サブ項目5つに軽微な変更(Minor)が入っただけなので、範囲の骨格は安定しています。
「守る対象」で5つの棚を作る
SC-900でいちばん多いつまずきは、名前の似たサービスが混ざることです。製品を機能で覚えるのではなく「何を守るか」で棚に入れると混ざらなくなります。
| 守る対象 | 主役 |
|---|---|
| ID とアクセス | Microsoft Entra(ID・認証・多要素認証・条件付きアクセス・ロールとRBAC・PIM・ID Protection) |
| Azure のリソースとネットワーク | DDoS Protection・Azure Firewall・WAF・NSG・Azure Bastion・Key Vault |
| クラウドの構成と姿勢 | Microsoft Defender for Cloud(CSPM・セキュアスコア・ワークロード保護) |
| 端末・メール・SaaS・オンプレAD | Microsoft Defender XDR(Endpoint / Office 365 / Cloud Apps / Identity) |
| データと文書 | Microsoft Purview(データ分類・秘密度ラベル・DLP・保持・eDiscovery・監査) |
そして全体のログを集めて対応するのが Microsoft Sentinel(SIEM + SOAR)です。この6つ目の棚だけは「横に貫くもの」として別に置いておくと、Defender系との役割の違いが崩れません。
混同しやすい対 ── ここが出る
出題は「どちらか」を選ばせる形にしやすい対に集まります。先に潰しておくと得点が安定します。
- Entraロール と Azure RBAC … 前者はEntra(ディレクトリ)の管理権限、後者はAzureリソースへの権限。管理範囲が別
- 秘密度ラベル と 保持ラベル … 前者は「守り方」(暗号化・透かし・アクセス制限)、後者は「残し方・消し方」(保持期間・削除)
- コンテンツ エクスプローラー と アクティビティ エクスプローラー … 前者は「いま、どこに何があるか」、後者は「そのラベル付きデータに何が起きたか」
- Defender for Identity と Entra ID Protection … 前者はオンプレミスのActive Directoryへの攻撃検知、後者はEntra IDのサインインリスク検知
- Defender for Cloud と Defender for Cloud Apps … 前者はクラウドのリソース構成とワークロード、後者はSaaSアプリの利用(CASB)
- 認証 と 認可 … 「誰か」を確かめるのが認証、「何をしていいか」を決めるのが認可。ゼロトラストの説明でも前提になる
45分という時間 ── 見落としやすいポイント
SC-900は45分です。Microsoft認定試験は通常40〜60問と案内されているので、1問あたり1分弱の見当になります。加えて、Microsoftの試験は単純な四択だけでなく、ドラッグ&ドロップ形式や複数選択が混ざります。
対策はシンプルです。迷った問題に時間を溶かさず、見直しフラグを立てて先に進む。合格ラインは700点(1〜1,000のスケールスコア)で満点は必要ありません。配点の大きい2領域を確実に取ることが得点につながります。未回答は不正解と同じ扱いなので、最後は必ず全問埋めてください。
AZ-900とどちらを先に受けるか
どちらからでも受けられますが、AZ-900を先に通しておくほうが楽になります。SC-900では「サブスクリプション」「リソースグループ」「Azureのリソース階層」といったAzure側の前提語が説明なしで出てくるためです。すでにAzureを触っている方や、AZ-900相当の知識がある方は、SC-900から入って構いません。
どちらも基礎(Fundamentals)帯で有効期限がなく、試験時間45分・合格ライン700点という枠も同じです。2つ並べて2〜3週間で片付ける、という進め方も現実的です。
SC-900の次に進む道
SC-900はロールベース認定3方向すべての土台です。
- SC-300(Identity and Access Administrator) … ID側を深める道。Entraの実務設計へ
- SC-200(Security Operations Analyst) … 脅威対応側。SentinelとDefender XDRの運用へ
- SC-400(Information Protection and Compliance Administrator) … 情報保護側。Purviewの実務へ
ベンダーに依存しないセキュリティの土台を先に固めたい場合は、CompTIA Security+ を並行させる形もよく選ばれます。用語がベンダー中立で整理されるため、Microsoft製品名の暗記に寄りすぎるのを防げます。
よくある質問
Q. SC-900は日本語で受験できますか?
できます。公式の試験ページで、英語・日本語ほか全13言語に対応していることが案内されています。
Q. 合格ラインは何点ですか?
700点です(1〜1,000のスケールスコア)。Microsoftのすべての技術試験で共通の基準です。
Q. 問題数は何問ですか?
試験ごとの問題数は公表されていません。 公式には「Microsoft認定試験は通常40〜60問だが、試験によって変動する」と案内されています。試験時間は45分(着席時間65分)です。
Q. SC-900に有効期限はありますか?
ありません。Microsoftの認定更新ページに「Fundamentals certifications do not expire.(基礎認定は失効しない)」と明記されています。更新の受験も不要です。
Q. SC-900は廃止される予定はありますか?
本記事の確認時点で、公式ページに受験終了の予告は見つかりませんでした。直近の動きは2026年7月28日の出題範囲の改定で、大分類と配点比率はいずれも変更なしです。
Q. AZ-900を持っていなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。前提資格はありません。ただしSC-900ではAzureのリソース階層やサブスクリプションが前提語として出てくるため、Azureに全く触れたことがない方は、AZ-900を先に通すほうが結果的に早くなります。
まとめ
- 試験時間45分(着席65分)、合格ラインは700点(1〜1,000のスケールスコア)、有効期限なし
- 日本語で受験できます(全13言語対応)
- 配点は「Microsoft セキュリティ ソリューション」が35〜40%で最大。Entraの25〜30%と合わせて全体の6〜7割
- 配点最小の「概念」を最初にやる。残り3領域の説明の前提になっているため
- 製品は機能で覚えず、「何を守るか」の棚(ID/Azureリソース/構成の姿勢/端末・メール・SaaS/データ)に入れる
- 名前の似た機能の対(Entraロール と Azure RBAC、秘密度ラベル と 保持ラベル など)が出題の狙い目
- 出題範囲は2026年7月28日版。大分類・配点比率は改定なし
資格道場の使い方
SC-900は「概念」と「製品名」が半々で問われるため、出題範囲を読んだだけでは「どう問われるか」の手触りがつかみにくい試験です。名前の似た機能をどちらか選ばせる形の設問に慣れておくことが、そのまま得点になります。
資格道場ではSC-900のオリジナル問題集を、公式4領域の配点比率どおりに配分した構成で用意しています。
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1問ずつ正誤と解説を確認できます。誤答した選択肢については「なぜそれが違うのか」まで読めます
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混同しやすい対(Entraロール/Azure RBAC、秘密度ラベル/保持ラベル など)を、両方向から問う設問で用意しています
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購入は買い切りで、月額の課金はありません。内容を改定した場合も追加料金なしでそのまま使えます
あわせて読みたい
参考(一次情報)
- 試験 SC-900 の公式ページ(Microsoft Learn)(試験名・試験時間45分・試験言語・受験方法)
- SC-900 の学習ガイド(Study guide・Microsoft Learn)(Skills measured as of July 28, 2026・4領域の配点比率・合格ライン700点・Change log)
- 試験期間と試験エクスペリエンス(Microsoft Learn)(基礎試験の試験時間45分/着席時間65分・通常40〜60問というレンジ案内)
- Microsoft 認定資格の更新(Microsoft Learn)(基礎認定は失効しない)
※ 本記事は2026年8月8日時点でMicrosoft Learnの公式ページを直接確認して作成しています。試験仕様・出題範囲・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。