資格道場
記事法人

Amazon・Level 3

試験情報

サムネイルの Level は資格自体の難易度です(Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関))。

インフラエンジニア1年目の資格取得ロードマップ

資格は「土台 → クラウドの入口 → 専門性 → 運用の型 → 設計力」の順で積む

インフラエンジニア1年目は、覚えることが多すぎます。「何から手を付ければいいか分からない」状態に陥りがちです。資格の勉強でも、闇雲に手を出してはいけません。2つの損をします。範囲が重複した資格を並べてしまうこと、現場でまだ使わない知識に時間を溶かしてしまうことです。

1年目に積む資格は、次の5段階で考えると整理しやすくなります。

  1. ITパスポート:ITの共通言語という土台
  2. AZ-900 か AWS CLF:クラウドの入口を1本
  3. AI-900/AI-901・DP-900:Azureの専門性を広げる
  4. ITIL 4 Foundation:運用の共通言語
  5. AWS SAA:設計力を証明する到達点

この順番は、思いつきで並べたものではありません。「広く浅い基礎」→「配属先で使う専門知識」→「運用の型」→「設計力を問う中級資格」という流れです。後の資格ほど、前の資格の知識を土台にできます。逆順や並行では、同じ用語を何度も学び直すことになります。

AWS SAAの問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)

1年目ロードマップ全体像

段階 資格 レベル 学習時間の目安 現場でこう効く
1 ITパスポート 入門 50〜100時間・1〜2か月 IT用語の土台、非エンジニア職との会話
2 AZ-900 または AWS CLF 入門 1〜2か月 配属先クラウドの全体像を理解できる
3 AI-900/AI-901・DP-900 入門 各1〜2か月 生成AI・データ基盤の会話についていける
4 ITIL 4 Foundation 入門 2〜4週間 インシデント・変更管理など運用の共通言語
5 AWS SAA 中級 2〜3か月(CLF経由なら短縮可) 設計に関わる案件、上流工程への足がかり

学習時間は目安にすぎません。業務でどれだけIT・クラウドに触れているかによって大きく変わります。公式の基準ではないため、「未経験からの一般的な体感」として見てください。

ステップ1:ITパスポートでITの共通言語を最短で

配属前や配属直後に、まず取っておきたいのがITパスポートです。ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野を横断し、経営・法務からネットワーク・セキュリティの基礎までを一度に押さえられます。前提資格はありません。未経験からでも50〜100時間・1〜2か月が目安です。

現場で効くのは「打ち合わせで出てくる言葉が分かる」という土台の部分です。ITの基礎用語は、エンジニア同士だけで飛び交うものではありません。営業・企画・お客様との会話でも出てきます。ここを最初に固めておくと、以降の専門資格の学習効率も上がります。合格ラインは総合600点以上+3分野それぞれ300点以上です。得意分野に偏らず、バランスよく学ぶ練習にもなります。詳しい出題範囲と独学ロードマップはITパスポートの勉強時間の目安と独学ロードマップにまとめました。

ステップ2:AZ-900 か AWS CLF でクラウドの入口を1本決める

土台ができたら、次はクラウドの入門資格です。AZ-900(Azure Fundamentals)とAWS CLF(Cloud Practitioner)は、どちらも「広く浅く」の入門資格です。難易度と学習時間もほぼ同じです。ここで守ってほしいのは、両方同時に手を出さないこと。似て非なる用語が混ざり、結果的に両方とも合格が遠のきます。

選び方はシンプルです。配属先・志望先のクラウドに合わせるのが最短ルートになります。

  • 大手SIer・JTC(伝統的日系大企業)・金融・公共系に多い → AZ-900
  • Web系・スタートアップ・メガベンチャーに多い → AWS CLF

まだ配属先が決まっていない方や、両方の可能性がある方もいます。その見分け方は内定先がAzure/AWSだったら、入社前に取っておきたい資格で詳しく書きました。AZ-900の出題範囲と学習の進め方はAZ-900の勉強法と勉強時間にあります。AWS CLFの問題集はこちらからご確認いただけます。配属先がGoogle Cloudなら、GCP ACE(Associate Cloud Engineer)の勉強法と勉強時間をご覧ください。

ステップ3:AI-900/AI-901・DP-900 でAzureの専門性を広げる

クラウドの入口を1本通したところで止まりません。次はその専門性を広げる段階です。Azure系を選んだ方の広げ先は、2本あります。AI-900/AI-901(Azure AI Fundamentals)とDP-900(Azure Data Fundamentals)です。どちらも入門レベルです。AZ-900の知識を使えば、一から覚え直す必要はありません。

  • AI-900/AI-901:AIの基礎概念と、Microsoft Foundryでの生成AI・エージェント実装を扱う資格です。AI-900は2026年6月30日で廃止され、現行は後継のAI-901です。廃止の経緯と取得済み認定の扱いはAI-900の廃止はいつ?:AI-901への移行にあります。AI-901の試験範囲・配点はAI-901とは:試験範囲・配点・変更点にまとめました。両者の違いを詳しく比べたい方はAI-900とAI-901の違いを徹底比較をご覧ください。生成AIが絡む案件や、社内のAI活用相談に対応できる土台になります
  • DP-900:コアデータの概念とAzure上のデータサービス(リレーショナル・非リレーショナル・分析ワークロード)を扱う資格です。学習法はDP-900の勉強法と勉強時間にまとめました。データ基盤・分析案件で、SQLやデータベースの会話についていける力になります

AWS CLFを選んだ方は、この段階を後回しにできます。先にステップ5(SAA)へ進む選択肢もあります。AI・データ系の実務が視野に入ったタイミングで戻ってくる形でも構いません。

ステップ4:ITIL 4 Foundation で運用の共通言語を手に入れる

クラウドの技術知識と並行して押さえておきたいのが、運用・サービスマネジメントの共通言語です。ITIL 4 Foundationは、インシデント管理・変更実現・サービスデスクといった用語と考え方を体系的に学べます。どれも運用現場で日常的に使う言葉なので、覚えて損はありません。

40問・4択で、合格ラインは65%(26問以上)です。2〜4週間という比較的短い期間で取れる点も特徴になります。保守・運用・ヘルプデスク・監視業務に配属されている方、配属予定の方には直接効きます。「インシデントと問題の違い」「変更実現とリリース管理の違い」でも、もう迷いません。現場で曖昧なまま使われがちな用語なので、日々の業務報告や引き継ぎの精度も上がります。出題範囲と勉強法の詳細はITIL 4 Foundationの勉強法と試験概要にあります。

ステップ5:AWS SAA で設計力を証明する

1年目の締めくくり、あるいは2年目への橋渡しに置きたいのがAWS SAA(Solutions Architect – Associate)です。ここまでの4資格は「広く浅い入門」でした。SAAが問うのは要件に対して最適な設計を選ぶ力です。中級(アソシエイト)資格なので、学習時間も一段重くなります。

出題は「この条件なら、どの構成が最適か」を判断する形式です。判断の観点は、セキュリティ・回復力・パフォーマンス・コストの4つです。知識の暗記だけでは解けません。選択肢を比較検討する読解力も必要になります。AWS CLFを経由していれば土台を流用できるので、学習時間を短縮できます。それでも入門資格と同じ時間では終わりません。まとまった時間を確保して臨んでください。問題集はこちらからご確認いただけます。

Azureを本線に進めるなら、到達点はSAAではありません。同じ位置づけの中級資格、AZ-104(Azure Administrator Associate)です。AZ-900の次に何を狙うかで迷っている方は、AZ-104とは:AZ-900の次に取るAzureインフラ資格もあわせてご覧ください。

もう一本の軸:Linux(LinuC)とネットワーク(CCNA)

ここまでの5段階は、クラウドを軸にした縦のロードマップです。ただしインフラの現場は、クラウドの上だけで動いているわけではありません。サーバーの中身(Linux)と、その間をつなぐネットワークという2つの土台があります。配属先によっては、クラウドの資格が先ではありません。その代表がLinuCとCCNAです。

どちらを取るかは、配属先の担当領域で決めるのが最短です。サーバーの構築・運用が中心ならLinuC、ネットワーク機器の設定・調査が中心ならCCNAです。両方に関わる現場でも、2本同時には狙いません。日々よく触るほうから1本にしてください。

  • LinuC(LPI-Japan):Linux技術者認定です。レベル1(101試験+102試験)に両方合格して、初めてレベル1の認定になります。その先に、構築寄りのレベル2(201試験+202試験)が続きます。1試験あたり約60問・90分、受験料は16,500円(税込・2026年7月時点)。合格ラインを公式は公表していません。学習時間はレベル1(101+102の合計)で、IT未経験なら130〜200時間程度を目安に挙げる解説が多いようです。取る順番と範囲の全体像はLinuCの勉強法と学習順にまとめました
  • CCNA(Cisco):ネットワーク技術者認定の登竜門です。現行は200-301(v1.1)の1試験で、試験時間は120分です(出題数をCiscoは公表していません)。出題は6分野で、最大配点は「IPコネクティビティ」の25%。学習時間は未経験で200〜300時間・3〜6か月程度を目安に挙げる解説が多くあります。2027年2月3日からv2.0の提供開始が決まっているので、受験時期が近い方は対象バージョンを確認してください。詳しくはCCNAの勉強法と学習順をご覧ください

学習時間の目安は、いずれも公式の基準ではありません。各種解説サイトが紹介することの多い数字です。どちらも入門クラウド資格(AZ-900・CLF)ほど短くは終わりません。ステップ2の入門クラウドを1本通したあと、業務で必要になったタイミングで着手するのが現実的な組み込み方です。

LinuCもCCNAも、コマンドを実際に入力させる形式の設問があります。ここが、選択式中心のクラウド入門資格との一番の違いです。選択式の問題集だけでは仕上がりません。手を動かす時間を別に確保してください。備え方はコマンド入力問題の対策に書きました。

1年間でどう配分するか(月次の目安)

5資格すべてを詰め込む必要はありません。目安として月次に落とし込むと、次のようなペースになります。

時期 やること
入社〜2か月目 ITパスポート
3〜4か月目 AZ-900 または AWS CLF(配属クラウドに合わせる)
5〜6か月目 AI-900/AI-901(Azure系の場合)
7〜8か月目 DP-900(Azure系の場合)
9〜10か月目 ITIL 4 Foundation
11か月目〜2年目 AWS SAA(本格的な設計力の証明)

SAAは学習時間が他の入門資格より大きい資格です。1年目の終盤から2年目にかけて仕上げる前提でも十分に間に合います。無理に1年で5本すべてを取り切ろうとしないことが、実は一番大事なコツです。業務との両立が前提である以上、多少の前後は問題になりません。ロードマップ全体の「順番」さえ守っていれば大丈夫です。

つまずきやすい3つの場面

  • クラウド系の入門資格を並行して勉強する:AZ-900とAWS CLFを同時に進めると、似た用語が混ざって両方とも合格が遠のきます。1本に絞ってから次に進んでください。
  • 入門資格に時間をかけすぎる:ITパスポート・AZ-900・CLF・AI-900/901・DP-900・ITIL4は、いずれも「広く浅く」の入門資格です。満点は狙いません。合格ラインを超える勉強に絞れば、次の資格に進む時間を確保できます。
  • SAAをいきなり入門資格と同じペースで計画する:SAAは中級資格で、学習時間の桁が変わります。入門4〜5本と同じ感覚でスケジュールを組むと計画倒れになりやすいため、余裕を持った期間設定が要ります。

よくある質問

Q. 1年目でこの5資格をすべて取る必要がありますか?

必須ではありません。配属先の技術や業務内容によって優先度は変わります。ただし順番(土台→クラウドの入口→専門性→運用の型→設計力)を意識すると、どの資格から始めても学習の重複が少なくなります。

Q. AZ-900とAWS CLF、どちらを先に取ればいいですか?

配属先・志望先のクラウドに合わせるのが基本です。大手SIer・JTC・金融・公共系はAzureが多く、Web系・スタートアップ・メガベンチャーはAWSが多い傾向にあります。見分け方は内定先がAzure/AWSだったら、入社前に取っておきたい資格に書きました。

Q. ITパスポートを飛ばして、いきなりAZ-900から始めてもいいですか?

始められます。ITパスポートは必須の前提資格ではありません。ただしIT用語に不慣れな状態でクラウド資格の学習に入ると、用語理解に余計な時間がかかります。非IT出身の方には、ITパスポートからの順番をおすすめします。

Q. SAAはいつまでに取ればいいですか?

明確な期限はありません。SAAは中級資格で、学習時間も入門資格より重くなります。1年目の終盤から2年目にかけて取り切る前提でも十分です。焦って入門資格のペースで詰め込むより、土台を固めてから臨むほうが結果的に近道になります。

1年目のロードマップで押さえる5点

  • 1年目の資格ロードマップは ITパスポート → AZ-900/CLF → AI-900・901/DP-900 → ITIL4 → SAA の5段階
  • 「広く浅い基礎」から「専門性」「運用の型」「設計力」へ、後の資格ほど前の知識を土台にできる順番になっている
  • クラウド入門(AZ-900・CLF)は1本に絞るのが鉄則。並行学習は同じ用語の学び直しを生む
  • SAAだけは学習時間の桁が違う中級資格。1年目終盤〜2年目にかけての到達点として計画する
  • クラウドの縦線とは別に、LinuC(Linux)とCCNA(ネットワーク)という土台の2本柱がある。配属先の担当領域に合わせて、入門クラウドを1本通したあとに着手する

資格道場の使い方

資格道場では、このロードマップに登場する資格すべてに全問オリジナル・公式範囲準拠の問題集を用意しています。

  • まず50問は会員登録もログインもなしでその場で解けます(本番形式の模試 第1回は無料の会員登録で解けます)。手触りを確かめてからで構いません
  • Udemy並みの「回」単位で分割しているので、通勤・昼休みの細切れ時間でも進みます
  • 解説は「エッセンスのみ」。解説ごと頭に残る設計です
  • 進捗はこの端末に自動保存(ログイン不要で続きから再開)

ロードマップ順のリンクはこちらです。

Linuxとネットワークの2本柱は、上のクラウド系とは別枠でご用意しています。こちらは四肢択一に加えて、本試験と同じくコマンドを実際に入力する形式の問題も収録しています。


※ この記事は2026年7月時点の公開情報をもとに作成しています。各資格の出題範囲・受験料・日程は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず各試験の公式サイトで最新情報をご確認ください。学習時間の目安はいずれも公式の基準ではなく、一般的な体感を整理したものです。