結論:2026年7月24日にPL-900は「別の試験」になった
まずここだけは押さえてください。PL-900は2026年7月24日の改訂で出題範囲が大きく変わりました。
- 旧版にあった 「Power Pages の機能」の領域が丸ごと廃止(公式Change logで Removed)
- 代わりに 「Microsoft Copilot Studio のエージェントの特徴と機能」が新設(配点 20〜25%・配下の項目はすべて New)
つまり出題範囲の2割強がまるごと入れ替わりました。改訂前の教材で学ぶと、この新領域(トピック・ナレッジソース・MCPサーバーを含むツール・チャネルへの発行・Microsoft Agent 365・エージェント評価)がそっくり抜け落ちます。教材を買う前に、対応版が「Skills measured as of July 24, 2026」かどうかを必ず確認してください。
その上での最短ルートは3段です。
- 4つのサービスの守備範囲を先に分ける(アプリ=Power Apps/自動化=Power Automate/データ=Dataverse/会話するAI=Copilot Studio)
- 配点20〜25%の4領域を均等に入れる ── 第1領域だけが5〜10%で、残りは横並びです
- 新設のCopilot Studio領域を捨てない ── ここだけで配点の2割強あります
PL-900は「どこか1つを捨てる」戦略が取りにくい試験です。理由は配点の形にあります(後述)。
PL-900の問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | PL-900: Microsoft Power Platform Fundamentals(Microsoft Power Platform の基礎) |
| 運営 | Microsoft |
| 試験時間 | 45分(説明・同意確認などを含む着席時間は65分) |
| 問題数 | 試験ごとの数は非公表(公式は「Microsoft認定試験は通常40〜60問」と案内) |
| 合格ライン | 700点(1〜1,000のスケールスコア) |
| 試験言語 | 日本語で受験できます(全12言語に対応) |
| 受験方法 | ピアソンVUE経由(テストセンターまたは自宅オンライン) |
| 認定の有効期限 | なし(基礎=Fundamentals認定は失効せず、更新不要) |
| 前提資格 | なし |
| 出題範囲の版 | Skills measured as of July 24, 2026 |
受験料は、Microsoftの基礎(Fundamentals)帯に共通の価格です。PL-900の試験ページは金額が国・地域ごとの動的表示になっており、本記事の確認時点でPL-900単独の円建て実額は取得できませんでした。お申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。
なお公式には「PL-900はロールベース認定の準備に使えるが、どの認定の前提条件でもない」と明記されています。取得しないと次に進めない、という性質の資格ではありません。
PL-900の出題範囲と配点(公式・2026年7月24日版)
| 出題領域 | 配点 |
|---|---|
| Microsoft Power Platform のビジネス価値について説明する | 5〜10% |
| Microsoft Power Platform 環境を管理する | 20〜25% |
| Power Apps の機能を実演する | 20〜25% |
| Power Automate の機能を実演する | 20〜25% |
| Microsoft Copilot Studio のエージェントの特徴と機能について説明する(新設) | 20〜25% |
第1領域だけが5〜10%で、残る4領域はいずれも20〜25%の横並びです。ここがPL-900の配点の特徴で、たとえばSC-900のように「配点35〜40%の主戦場を厚くやる」といった重点配分が効きません。4本柱を均等に押さえるのが正解になります。
逆に言えば、どれか1領域を落とすと最大で4分の1を失うということです。「Copilot Studioは新しいから後回し」は、そのまま25%の放棄になります。
2026年7月24日の改訂で何が変わったか
公式のChange logで確認できる変更点を整理します。
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| 領域の廃止 | 「Demonstrate the capabilities of Power Pages」が Removed |
| 領域の新設 | 「Describe features and capabilities of agents in Microsoft Copilot Studio」が New(配下も全項目 New) |
| 項目の廃止 | Power Apps の「Build a canvas app」「Build a model-driven app」が Removed |
| 項目の新設 | Power Apps に「Describe how to build basic apps by using Power Apps」が New |
| 配点の増減 | ビジネス価値=減/環境管理=増/Power Apps=減/Power Automate=増 |
ここで誤解しやすい点をひとつ。Power Pages は試験から消えたわけではありません。 独立した領域ではなくなっただけで、第1領域(ビジネス価値)のサブ項目「Describe the value of Microsoft Power Pages to build websites」として残っています。「作り方」は問われなくなり、「何のためのものか」だけが残ったと理解するのが正確です。
もうひとつ、Power Apps 側の変化も同じ方向です。「Build a canvas app(キャンバスアプリを作る)」という手順を問う項目が消え、「Describe how to build basic apps(基本的なアプリの作り方を説明する)」に置き換わりました。試験全体が「手順の暗記」から「説明できるか」へ寄った改訂だと読めます。
新設領域「Copilot Studio のエージェント」で何が問われるか
配点20〜25%を占める新領域です。公式の出題範囲に明記されている項目は次のとおりです。
エージェントを作る側
- エージェントのユースケース
- トピックによる会話パスの設計(トリガーフレーズ・ノード・リダイレクト)
- ナレッジソースの使い方(生成回答・根拠のない応答の制御)
- ツール(MCPサーバー・エージェントフローを含む)の使われ方
- チャネルへの発行
エージェントを管理する側
- Microsoft Agent 365 のユースケースと機能
- エージェントの利用状況と定着度の監視
- エージェント評価
注目すべきは、MCPサーバーという語が入門資格の出題範囲に明記されたことです。AIエージェントが外部のツールやデータにつながる仕組みが、もう「基礎」の側に降りてきたということでもあります。
この領域は新しいため、日本語の教材がまだ揃っていません。公式のMicrosoft Learnと問題演習で埋めるのが現実的です。
4つのサービスの守備範囲を分ける
PL-900でいちばん多いつまずきは、シナリオ問題で「どのサービスを使うべきか」を選べないことです。最初に境界を引いてしまうと崩れなくなります。
| やりたいこと | 主役 |
|---|---|
| 画面のある業務アプリを作りたい | Power Apps(キャンバス/モデル駆動型/コードアプリ) |
| 処理を自動で走らせたい | Power Automate(クラウドフロー/デスクトップフロー=RPA) |
| データを置きたい・整えたい | Dataverse(テーブル・列・リレーションシップ・Power Fx) |
| 会話するAIを作りたい | Copilot Studio(エージェント・トピック・ナレッジソース) |
| 外部向けのWebサイトを作りたい | Power Pages(※2026年7月24日以降は「価値」だけが出題範囲) |
そしてこの4つ全部を載せる土台が「環境(Environment)」で、誰が何を触れるか(セキュリティロール)、どのデータをどこへ出していいか(DLPのデータポリシー)、どうやって本番へ運ぶか(パイプラインによるALM)を決めます。第2領域の20〜25%はここです。土台の話だと分かっていれば、Power AppsともPower Automateとも混ざりません。
混同しやすい対 ── ここが出る
出題は「どちらか」を選ばせる形にしやすい対に集まります。先に潰しておくと得点が安定します。
- キャンバスアプリ と モデル駆動型アプリ … 前者は画面を自由にデザインする(見た目から作る)、後者はDataverseのデータ構造から画面が生成される(データから作る)
- クラウドフロー と デスクトップフロー … 前者はクラウド上のサービス間をコネクタでつなぐ、後者はPCの画面操作を自動化する(RPA)
- 有人(attended) と 無人(unattended) … 人がログインした状態で動かすか、人がいない状態で走らせるか
- 標準コネクタ と プレミアムコネクタ … 追加ライセンスが要るかどうか
- セキュリティロール と 列レベルセキュリティ … 前者は「テーブル・行に対して何ができるか」、後者は「特定の列だけ見せない」
- Dataverse と 従来のデータベース … Dataverseはテーブルだけでなく、セキュリティ・ビジネスロジック・監査までデータ層側に持つ
勉強時間の目安(経験別)
| タイプ | 目安 |
|---|---|
| Power Platform・Microsoft 365 を業務で利用中 | 約1週間(1日1時間程度) |
| 他のIT/クラウド経験あり(AZ-900 取得済みなど) | 約2週間 |
| IT未経験・業務部門から受験 | 約3〜4週間 |
一般に15〜25時間前後が目安とされることが多い試験です。公式の基準ではないので、目安として扱ってください。範囲は広いものの1問ごとの深さは浅く、「この要件なら、どのサービスか」を選べる状態が到達点になります。
45分という時間 ── 見落としやすいポイント
PL-900は45分です。Microsoft認定試験は通常40〜60問と案内されているので、1問あたり1分弱の見当になります。加えて、Microsoftの試験は単純な四択だけでなく、ドラッグ&ドロップ形式や複数選択が混ざります。
対策はシンプルです。迷った問題に時間を溶かさず、見直しフラグを立てて先に進む。合格ラインは700点(1〜1,000のスケールスコア)で満点は必要ありません。未回答は不正解と同じ扱いなので、最後は必ず全問埋めてください。
AZ-900とどちらを先に受けるか
どちらからでも受けられます。 PL-900は前提資格なしで、Azureの深い知識も要求されません。
ただしAZ-900を先に通しておくと楽になります。PL-900では「環境」「テナント」「ライセンス」といったクラウド共通の前提語が説明なしで出てくるためです。すでにMicrosoft 365やAzureを業務で触っている方は、PL-900から入って構いません。
どちらも基礎(Fundamentals)帯で有効期限がなく、試験時間45分・合格ライン700点という枠も同じです。2つ並べて2〜3週間で片付ける、という進め方も現実的です。
なお、2026年7月24日の改訂でPL-900のAI比重が上がったため、AI-901(AI Fundamentals)との相性が以前より良くなっています。Copilot Studioのエージェントを扱う以上、生成AIの基礎概念を先に入れておくと第5領域の理解が速くなります。
PL-900の次に進む道
- PL-200(Functional Consultant) … Power Platformで業務要件を実装する道
- PL-400(Developer) … コードを書いて拡張する開発者の道
- AI-901(AI Fundamentals) … Copilot Studioの土台にある生成AIの基礎を固める
- AZ-900(Azure Fundamentals) … Power Platformが載るクラウドそのものの基礎
よくある質問
Q. PL-900は日本語で受験できますか?
できます。公式の認定ページで、日本語を含む全12言語に対応していることが案内されています。
Q. 2026年7月24日より前の教材で勉強しても大丈夫ですか?
おすすめしません。 この改訂で「Power Pages の機能」の領域が廃止され、「Copilot Studio のエージェント」が配点20〜25%で新設されました。旧版教材ではこの新領域がまるごと抜けます。教材の対応版が「Skills measured as of July 24, 2026」かどうかを確認してください。
Q. Power Pagesはもう勉強しなくていいですか?
「作り方」は不要ですが、「何のためのものか」は残っています。 独立した領域ではなくなり、第1領域(ビジネス価値)のサブ項目として「Power Pagesでどんな価値が出せるか」だけが問われます。サイトの作成手順を細かく覚える必要はありません。
Q. 合格ラインは何点ですか?
700点です(1〜1,000のスケールスコア)。Microsoftのすべての技術試験で共通の基準です。
Q. 問題数は何問ですか?
試験ごとの問題数は公表されていません。 公式には「Microsoft認定試験は通常40〜60問だが、試験によって変動する」と案内されています。試験時間は45分(着席時間65分)です。
Q. PL-900に有効期限はありますか?
ありません。Microsoftの認定更新ページに「Fundamentals certifications do not expire.(基礎認定は失効しない)」と明記されています。更新の受験も不要です。
Q. 開発経験がなくても受かりますか?
受かります。前提資格はなく、コードを書く力も問われません。出題は「このサービスは何ができるか」「この要件ならどれを使うか」を説明できるかに集中しています。業務部門の方の受験も多い試験です。
まとめ
- 2026年7月24日の改訂が最重要。Power Pagesの領域が廃止され、Copilot Studioのエージェントが配点20〜25%で新設
- 教材は必ず 「Skills measured as of July 24, 2026」対応版を選ぶ
- 試験時間45分(着席65分)、合格ラインは700点(1〜1,000のスケールスコア)、有効期限なし、前提資格なし
- 日本語で受験できます(全12言語対応)
- 配点は第1領域だけ5〜10%、残る4領域は20〜25%の横並び。重点配分が効かないので4本柱を均等に
- 最初に4つのサービスの守備範囲(アプリ/自動化/データ/会話するAI)を分ける
- Power Pagesは消えていない ── 「作り方」が消え「価値」が残った
資格道場の使い方
PL-900は改訂直後で、日本語の教材が新出題範囲に追いついていないのが実情です。とくに配点20〜25%の「Copilot Studio のエージェント」は、トピック・ナレッジソース・MCPサーバー・Microsoft Agent 365・エージェント評価といった新しい語が並び、公式ドキュメントを直接読むしかない状態になりがちです。
資格道場ではPL-900のオリジナル問題集を305問(択一285問+複数選択20問)、公式5領域の配点比率どおりに配分した構成で用意しています。もちろん2026年7月24日の新出題範囲に対応しており、新設のCopilot Studio領域も収録しています。
-
1問ずつ正誤と解説を確認できます。誤答した選択肢については「なぜそれが違うのか」まで読めます
-
混同しやすい対(キャンバスアプリ/モデル駆動型アプリ、クラウドフロー/デスクトップフロー など)を、両方向から問う設問で用意しています
-
購入は買い切りで、月額の課金はありません。内容を改定した場合も追加料金なしでそのまま使えます
あわせて読みたい
参考(一次情報)
- Microsoft Power Platform Fundamentals(PL-900)の公式ページ(Microsoft Learn)(試験名・試験時間45分・試験言語12言語・受験方法・前提条件の記述)
- PL-900 の学習ガイド(Study guide・Microsoft Learn)(Skills measured as of July 24, 2026・5領域の配点比率・合格ライン700点・Change log)
- 試験期間と試験エクスペリエンス(Microsoft Learn)(基礎試験の試験時間45分/着席時間65分・通常40〜60問というレンジ案内)
- Microsoft 認定資格の更新(Microsoft Learn)(基礎認定は失効しない)
※ 本記事は2026年8月9日時点でMicrosoft Learnの公式ページを直接確認して作成しています。試験仕様・出題範囲・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。