結論:重点分野の「セキュリティ」と「法務」に時間を寄せる試験
情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験・情報処理技術者試験のレベル2に位置づけられる試験です。情報システムを使う部門の側で、情報セキュリティを確保・運用する立場を想定しています。
勉強法の結論を先に書きます。試験要綱が科目Aの出題範囲を「1.重点分野」と「2.その他の分野」に二分しており、重点分野はセキュリティと法務の2つだけ。ここに学習時間を寄せるのが要です。
要綱の注記には「出題上の配慮から、重点分野(セキュリティ、法務)を先頭に配置している」と明記されています。中分類ごとの出題数や比率はIPAが公表していないため断定はできませんが、公式が強弱を示している唯一の情報がこの二分です。学習の優先順位はここから組み立てるのが筋です。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)の問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | 情報セキュリティマネジメント試験(略号 SG) |
| 区分 | 情報処理技術者試験(レベル2)/国家試験 |
| 運営 | IPA(情報処理推進機構) |
| 出題数 | 60問(科目A 48問・科目B 12問) |
| 採点対象 | 54問(残り6問は今後出題する問題を評価するために使われます) |
| 試験時間 | 120分(科目Aと科目Bを一つの試験時間内にまとめて実施) |
| 出題形式 | 科目A:多肢選択式(四肢択一)/科目B:多肢選択式 |
| 採点方式 | IRT(項目応答理論)にもとづく評価点。問題別の配点割合は「IRTによる」 |
| 合格ライン | 総合評価点600点以上(1,000点満点。分野別の基準点はありません) |
| 受験方法 | CBT方式・年間を通じて随時実施 |
| 受験手数料 | 7,500円(税込) |
| 科目免除 | ありません |
出題数60問のうち、評価に使われるのは54問です。残る6問は今後出題する問題を評価するためのもので、どれがその6問かは試験中に区別できません。全問を等しく解く前提で臨んでください。
合格判定は総合評価点のみで、科目Aと科目Bそれぞれに基準点があるわけではありません。ただし科目Bは12問しかない一方で技能を問う設問なので、ここを落とすと総合点への影響は小さくありません。
なお、身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方は、前期・後期の実施期間内にペーパー方式で受験できる制度が要綱に定められています。
出題範囲と配点
IPAが公表している配分は科目単位の出題数のみです。中分類別の出題数や比率は公表されていないため、本記事でも推定値は書きません。
科目A(48問・知識を問う) の出題範囲は、試験要綱で次のように二分されています。
| 区分 | 中分類 |
|---|---|
| 1.重点分野 | セキュリティ/法務 |
| 2.その他の分野 | システム構成要素/データベース/ネットワーク/プロジェクトマネジメント/サービスマネジメント/システム監査/システム戦略/システム企画/企業活動 |
科目B(12問・技能を問う) は大きく2つです。
| 大項目 | 内容 |
|---|---|
| B1 | 情報セキュリティマネジメントの計画、情報セキュリティ要求事項に関すること |
| B2 | 情報セキュリティマネジメントの運用・継続的改善に関すること |
科目Bは、情報資産管理の計画、リスクアセスメントとリスク対応、情報資産の管理、外部委託における情報セキュリティの確保、インシデント管理、意識向上、コンプライアンスの運用、継続的改善といった小項目で構成されます。現場の場面を読ませて判断させる形式なので、用語の暗記だけでは対応しきれません。
独学の順番
- 試験要綱で範囲の地図を作る。 まず科目Aの重点分野2つと、その他9分野を分けて把握します。その他の分野は、レベル1相当の広く浅い知識で足りる問題が中心です。
- 重点分野「セキュリティ」を最初の山にする。 情報セキュリティの概念、情報セキュリティ管理、セキュリティ技術評価、情報セキュリティ対策、セキュリティ実装技術。SGの主題そのものであり、科目Bの土台にもなります。
- 重点分野「法務」を続けて固める。 知的財産権、セキュリティ関連法規、労働・取引関連法規、その他の法律・ガイドライン・技術者倫理、標準化関連。範囲が明確で、暗記が素直に点に変わる領域です。シラバスVer.4.1では「プロバイダ責任制限法」が削除され「情報流通プラットフォーム対処法」が追加されているので、古い教材を使う場合はここを必ず補ってください。
- 科目Bの設問形式に早めに触れる。 12問と少ないぶん、形式に慣れていないと時間を消耗します。場面を読んで、規程や手順に照らして判断する練習を、科目Aの学習と並行して入れます。
- その他の分野は最後にまとめて。 ネットワーク・データベース・プロジェクトマネジメントなどは、深追いせず用語レベルで押さえます。120分の通し演習で時間配分を作って仕上げてください。
つまずきやすいところ
IRT採点の性質が最初の誤解ポイントです。問題別の配点割合は「IRTによる」としか公表されておらず、「何問正解すれば合格」という換算はできません。素点で目標を立てるのではなく、分野を偏らせず全体の正答率を上げる方針が安全です。
科目Bの手薄さも定番の落とし穴です。科目Aの過去の出題傾向に時間を使い切って、科目Bをほぼ手つかずで本番に臨む方がいます。12問という数字を見て軽く扱うと、総合評価点で足りなくなります。
法令改正への追随も見落とせません。法務は重点分野であり、かつ改正が反映されやすい領域です。学習に使う教材が最新のシラバスに対応しているかを、購入前に確認してください。
2027年度からの新試験制度も計画に影響します。IPAは2026年3月31日公表の改定案で、新制度を2027年度から開始し、現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定としています。SGは新制度でも存続し、改定案では試験時間120分・科目A48問・科目B12問は据置き、科目Aの出題範囲体系の変更と科目Bの一部変更が示されています。同案には「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません」とも明記されています。制度の切り替わり時期はIPAの制度変更の記事もあわせてご確認ください。
よくある質問
Q. SGの勉強時間はどれくらいですか?
公式に勉強時間の基準は示されていません。一般的な目安として数十時間程度と言われることが多い試験ですが、これは公式の基準ではなく、前提知識によって大きく変わります。ITパスポート相当の知識がある方と、まったくの初学者とでは必要量が別物になります。
Q. いつ受験できますか?
CBT方式で年間を通じて随時実施されています。実施日程や申込方法はIPAの公式ページでご確認ください。
Q. ITパスポートとどちらを先に受けるべきですか?
SGはレベル2、ITパスポートはレベル1に位置づけられています。IT全般の用語に不安がある方はITパスポートの学習から入ると、SGの科目A「その他の分野」がかなり楽になります。すでにIT実務がある方は直接SGを狙って問題ありません。
Q. 科目免除はありますか?
SGに科目免除の制度はありません。要綱で一部免除の対象とされているのは、基本情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験です。
まとめ
- SGは出題数60問(科目A48問・科目B12問)・試験時間120分、うち評価は54問(残り6問は今後の問題評価用)
- 採点はIRT、1,000点満点で総合評価点600点以上が合格。分野別の基準点はなし
- 公式が示す強弱は重点分野=セキュリティ・法務の二分のみ。中分類別の配分は非公表
- CBT方式で年間を通じて随時実施、受験手数料は7,500円(税込)、科目免除なし
- 科目Bは12問だが技能を問う形式。科目Aと並行して早めに触れておく
- IPAの改定案では2027年度から新制度、現行制度は2026年度の実施をもって終了予定(試験時間・出題数は据置き)
出題範囲に沿って手を動かして確かめたい方は、資格道場の情報セキュリティマネジメント試験問題集をどうぞ。 収録は600問(本番目安60問×10回の模試形式)、価格は1,480円(税込)の買い切りです。 まず50問は、会員登録もログインもなしでその場で解けます(すぐ解いてみる)。
あわせて読みたい
参考(公式・一次情報)
- IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6(PDF)(出題数・科目A/Bの内訳・試験時間・IRT採点・合格基準・科目免除・出題範囲の重点分野)
- IPA 試験要綱・シラバス一覧(試験要綱Ver.5.6・SGシラバスVer.4.1の版と掲載日)
- IPA 試験の実施日程・受験手数料(受験手数料7,500円・CBT方式の通年実施)
- IPA 出題範囲等の改定について(2026年3月31日公表)(2027年度からの新試験制度・現行制度の終了予定・SGの改定内容)
※ 本記事は2026年9月9日時点で公式ページ(試験要綱・シラバス一覧・実施日程)を確認して作成しています。試験仕様・出題範囲・受験手数料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。