AI-102は「Azure AIサービスの実装」、AI-103は「生成AI・エージェント開発」が主役
Microsoftの公式情報によると、試験 AI-102 は2026年6月30日で廃止されました。締め切りの時刻は、米国中部時間の23:59です。この試験にひもづく認定は、Azure AI Engineer Associate でした。後継として AI-103(Developing AI Apps and Agents on Azure) が用意されます。AI-103に合格すると、認定を取得できます。名称は Microsoft Certified: Azure AI Apps and Agents Developer Associate です。2026年6月時点では、ベータ提供でした。
ひとことで言えば、両者の違いはこうなります。
- AI-102:用意されたAzure AIサービス(Vision、Language、Speech、Search など)を組み合わせて実装する力を問う
- AI-103:Microsoft Foundry を土台に、生成AI(LLM)とAIエージェントを設計・開発・運用する力を問う
軸は「AIサービスを配線する」から動きました。動いた先は「生成AIアプリとエージェントそのものを作る」です。これがAI-102からAI-103への一番大きな変化になります。同じ時期に、AZ-204の後継として開発者向けのAI-200が始まりました。AI-200については、別の記事があります。出題範囲はAI-200の勉強法と出題範囲にまとめました。
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AI-102とAI-103の基本情報を比較
正式名称と認定資格の違い
| AI-102 | AI-103 | |
|---|---|---|
| 試験名 | Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution | Developing AI Apps and Agents on Azure |
| 認定資格 | Azure AI Engineer Associate | Azure AI Apps and Agents Developer Associate |
| レベル | 中級(Associate) | 中級(Associate) |
| 合格点 | 700 | 700 |
| 試験時間 | ─ | 120分 |
| 中心テーマ | Azure AIサービスの実装 | Microsoft Foundry/生成AI/エージェント |
廃止・開始のスケジュール
- AI-102 廃止:2026年6月30日 23:59(米国中部時間)。この日を過ぎると、AI-102の受験はできません。この認定の取得も更新もできなくなります。
- AI-103:2026年6月時点ではベータ(beta)として公開済み。ベータ試験は品質データ収集のため、結果がその場では出ません
補足:ベータ試験には、練習用アセスメント(Practice Assessment)が付きます。提供が始まるのは、試験が正式版(GA)になってからです。おおむね8週間以内に出てくるのが通例になります。
試験範囲(スキル)の違いを配点で比較
AI-103の5ドメインと配点
Microsoft Learn公式では、AI-103は次の5領域で構成されます。スキル一覧は2026年4月16日時点のものでした。
| ドメイン | 配点 |
|---|---|
| Implement generative AI and agentic solutions(生成AI・エージェント実装) | 30〜35% |
| Plan and manage an Azure AI solution(計画・管理) | 25〜30% |
| Implement computer vision solutions(コンピュータービジョン) | 10〜15% |
| Implement text analysis solutions(テキスト分析) | 10〜15% |
| Implement information extraction solutions(情報抽出) | 10〜15% |
AI-102からの最大の変化:生成AI+エージェントが30〜35%に
AI-102では「生成AI(15〜20%)」と「エージェント(5〜10%)」が別々の領域でした。AI-103では、この2つが統合されています。統合先は「生成AI・エージェント実装」という単一の最大ドメイン(30〜35%)です。配点も拡大しました。
しかも中身が踏み込んでいます。AI-103では、マルチエージェントのオーケストレーションが問われました。関数呼び出しと会話メモリも出ます。自律ワークフローと半自律ワークフローも範囲です。エージェントの監視と評価も入りました。実運用に近いエージェント開発が中心になります。
「自然言語処理」「ナレッジマイニング」はどこへ行ったのか
AI-102には「自然言語処理(NLP)」という領域名がありました。「ナレッジマイニングと情報抽出」という領域名もありました。この2つは、AI-103で姿を消しています。ただし、内容がなくなったわけではありません。LLM前提の「テキスト分析」と、RAG向けの「情報抽出」に再編された、と読むのが正確です。
- テキスト分析:従来のNLP API中心から、生成プロンプトでエンティティ・要約・構造化JSONを取り出すやり方へ
- 情報抽出:ドキュメント・画像・音声・動画の取り込みとインデックス化。ベクトル検索/ハイブリッド検索による RAG(検索拡張生成)のグラウンディングが中心
対象者・前提スキルの違い
使用言語:C#が外れ、Pythonに一本化
地味な変更に見えます。それでも、影響は小さくありません。AI-102では「Python と C#」が想定言語でした。AI-103の公式オーディエンスプロファイルでは、Pythonのみが明記されています。C#中心で準備していた方は、前提が変わりました。Pythonでの開発経験が必要になります。
求められる役割の変化
AI-102が想定したのは「Azure AIを活用したAIソリューションを構築・管理・デプロイするAIエンジニア」でした。想定する役割の書き方も変わりました。AI-103が想定するのは「Microsoft Foundryを活用してエージェントとAIソリューションを構築・管理・デプロイするAIエンジニア」です。役割の言葉そのものに「エージェント」と「Foundry」が入りました。ここに試験の方向性が出ています。
難易度はどう変わる?(現時点での見立て)
合格点(700)は変わりません。試験レベル(Associate)も同じです。変わるのは、次の2点になります。
- 生成AI・エージェントの配点が大きく、概念暗記だけでなく実装・運用の理解が必要
- 出題範囲が「LLM/RAG/マルチエージェント/責任あるAI」へ寄り、最新のFoundryまわりのキャッチアップが前提
体感の難易度は「広く浅く」から動きます。動いた先は「生成AI領域を深く」です。生成AIアプリを実際に触っている方ほど、有利になる構成でした。
※難易度は受験者の母集団や経験によって変わります。ここでお伝えしているのは、公式の試験範囲から読み取れる傾向です。
結局、AI-102とAI-103のどちらを受けるべきか
判断の目安は、次の3つです。受験タイミングの決め方は、別の記事にあります。AI-102の廃止はいつまで?いま受けるべきかで深掘りしました。
- すでにAI-102の学習が仕上がっている方:6月30日までに受け切ってしまうのが合理的
- これから学び始める方/生成AI・エージェントを伸ばしたい方:最初からAI-103を狙う
- 資格の有効期間や実務との整合を重視する方:後継であるAI-103を選んでおくと、内容が今後の主流に沿う
よくある質問
Q. AI-102とAI-103、結局何が一番違う?
一番の違いは軸です。AI-102が問うたのは、用意されたAzure AIサービスを組み合わせて実装する力でした。サービスとは Vision、Language、Speech、Search などです。AI-103で主役になるのは、Microsoft Foundryを土台にした開発力になります。生成AI(LLM)とAIエージェントを設計し、開発し、運用する力です。「AIサービスを配線する」から「生成AIアプリとエージェントそのものを作る」への変化、とまとめられます。
Q. AI-102からAI-103で、想定言語はどう変わる?
AI-102の想定言語は「PythonとC#」でした。AI-103の公式オーディエンスプロファイルでは、Pythonのみが明記されています。C#中心で準備していた方は、Pythonでの開発経験が前提になります。
Q. 「自然言語処理」「ナレッジマイニング」という領域名はAI-103でどうなった?
領域名としては姿を消しました。ただし、内容自体がなくなったわけではありません。LLM前提の「テキスト分析」と、RAG向けの「情報抽出」に再編されています。
Q. どちらを受けるべきか、簡単な目安は?
すでにAI-102の学習が仕上がっている方には、6月30日までに受け切る道がありました。これから学び始める方は、最初からAI-103を狙うのが妥当です。生成AI・エージェントを伸ばしたい方も同じ選択になります。
AI-102とAI-103の違いを4行で
- AI-102は2026年6月30日に廃止、後継はAI-103(Azure AI Apps and Agents Developer Associate、ベータ)
- 最大の違いは「Azureサービスの実装」から「Foundry上の生成AI・エージェント開発」への軸の移動
- 生成AI・エージェントが最大ドメイン(30〜35%)、想定言語はPythonに一本化
- 学習が仕上がっているならAI-102を6月までに、これからならAI-103を
AI-103そのものの試験範囲と配点は、別の記事にまとめました。日本語対応状況も含めてAI-103とは?試験範囲・配点・日本語対応状況で説明しています。
参考(Microsoft公式・一次情報)
- AI-103 公式スタディガイド(試験名・5ドメイン・配点・Python)
- AI-103 認定ページ(ベータ表記・合格点700・120分)
- AI-102 公式スタディガイド(廃止日・現行ドメイン配点・Python/C#)
※ この記事は、2026年6月10日時点のMicrosoft公式情報をもとに作成しました。試験仕様や日程は改定されることがあります。お申し込みの前に、公式サイトで最新情報をご確認ください。