結論:3SSは「山が無い」試験。権限制御を土台にして、前から順に積む
LinuC レベル3 3SS試験は、セキュリティスペシャリストの領域を問う試験です。2025年12月1日から受験が始まった新しい試験で、ACL・SELinux・AppArmor・システムコール制御・Capabilities による権限制御から、カーネルによるシステム保護、nftables、暗号化ファイルシステム、監査(auditd)、コンテナの堅牢化、TLS・DNSSEC・メールセキュリティ、PAM・FreeIPA・Keycloak による認証認可、侵入検知と診断までを扱います。
同じレベル3の3PS試験が「基盤を作る側」なら、3SSはその基盤を守る側です。勉強法の結論は、前から順に積むこと。重要度4の副主題がたった1つしかなく、山で稼ぐ戦い方が使えません。代わりに、権限制御(主題1・重要度15)が後半すべての土台になっているので、ここを固めてから先へ進むのが結果的に速くなります。
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試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | LinuC レベル3 3SS試験(セキュリティスペシャリスト) |
| 運営 | LPI-Japan |
| 受験開始 | 2025年12月1日 |
| 問題数 | 約60問 |
| 試験時間 | 90分(試験後アンケート5分を含むため、解答時間は実質85分) |
| 合格ライン | 公表されていません(3SS試験について公式にスコア基準の記載はありません) |
| 出題形式 | CBT。マウスによる選択方式がほとんどで、キーボード入力問題も多少出題される場合があります。実技や面接はありません |
| 受験方法 | ピアソンVUE経由(テストセンター、または自宅・職場からのOnVUE受験)。団体向けにPBTもあります |
| 受験料 | 27,500円(税込)/1試験あたり |
| 試験言語 | 日本語・英語 |
| 前提条件 | 実務経験・前提資格は不要ですが、認定には有意なLinuCレベル2の保有が必要です |
受験自体は誰でもできます。 ただし認定要件は「有意なLinuCレベル2認定を持ち、かつ3SS試験に合格すること」で、レベル2認定を持たずに合格した場合は、レベル2認定を取得した時点で3SSに認定されます。
受験料はレベル1・レベル2の16,500円と異なり、1試験あたり27,500円(税込)です。
出題範囲と重要度
LinuCの出題範囲は、パーセンテージの配点比率ではなく各副主題に割り振られた「重要度」の数値で示されます。3SS試験(LinuC-3SS Version 1.0)は6主題22副主題、重要度の合計は60です。
| 主題 | 重要度(合計60) |
|---|---|
| 1. アクセスおよび権限制御の強化 | 15 |
| 2. システム保護と監査 | 12 |
| 4. セキュアプロトコルによる各種機能の実装 | 11 |
| 6. インシデントの検知・防止 | 10 |
| 5. 認証・認可 | 8 |
| 3. 堅牢なコンテナ設計 | 4 |
主題1が15で最大です。ACL・SELinux・AppArmor・システムコール制御・Capabilities の5副主題がすべて重要度3という、きれいに均された構成になっています。
3SSの特徴は、重要度4がネットワークセキュリティ(6.1)ただ1つで、重要度3が14副主題と広く分布していることです。山が低いぶん、特定の主題を捨てる戦い方が成立しません。最小の「堅牢なコンテナ設計」でも4あります。
独学の進め方
- 権限制御の5つを先に固める ── ACL、SELinux、AppArmor、seccomp/eBPF、Capabilities。ここが後半のコンテナ・Webサーバー・ホストセキュリティの土台です。
- システム保護と監査へ進む ── カーネルパラメータとASLR、nftables、cryptsetup による暗号化、auditd の監査ルール。設定を1本ずつ書いて試します。
- セキュアプロトコルを面で押さえる ── Let's Encrypt、TLS の設定確認、DNS over TLS/HTTPS、DNSSEC、SPF/DKIM/DMARC。各2〜3なので、深追いより一巡を優先します。
- 認証・認可とインシデント検知 ── PAM、FreeIPA、Keycloak と、Wireshark/tcpdump・AIDE・OpenSCAP。ツールの目的を1行で言えるようにします。
- 模試形式で周回する ── 山が低い試験ほど、穴の場所を測る作業が効きます。正答率の低い副主題を重要度順に埋め直してください。
つまずきやすいところ
- どの層で止まっているのか切り分けられない ── SELinux・AppArmor・Capabilities・seccomp・nftables は、いずれも「通信や操作が止まる」原因になります。権限制御を曖昧にしたまま先へ進むと、症状から原因層を選ぶ設問で詰まります。
- 勉強時間の相場が存在しない ── 2025年12月に始まったばかりの試験のため、公式の学習時間の基準はなく、第三者の実績値も蓄積されていません。他資格の目安を当てはめないでください。
- コンテナを捨てる ── 主題3は重要度4で最小ですが、アクセス制御と Rootless モードの2副主題だけです。範囲が狭いので、費用対効果はむしろ高い部分です。
- 設定ファイルを読むだけで済ませる ──
setfacl、nft、cryptsetup、auditctlなどは、手を動かさないとオプションが定着しません。
よくある質問
Q. レベル2を持っていなくても3SSは受けられますか?
受験はできます。 ただし3SSとして認定されるには有意なLinuCレベル2の保有が必要です。レベル2認定を持たずに合格した場合、レベル2認定を取得した時点で3SSに認定されます。
Q. 合格ラインは何割ですか?
3SS試験について、公式にスコア基準は公表されていません。 基準が非公開である以上、模試形式の演習で余裕のある正答率を作ってから受験するのが安全です。
Q. 勉強時間はどれくらい必要ですか?
公式が示す基準はなく、新しい試験のため第三者の実績値も十分に蓄積されていません。 時間で測るより、6主題22副主題を重要度順に一巡させ、模試で穴を測るほうが計画を立てやすくなります。
Q. 3PSと3SSはどちらを先に受けるべきですか?
どちらも有意なレベル2認定が前提で、順序の指定はありません。基盤の設計・運用が業務に近ければ3PS、守る側が近ければ3SSからで構いません。
まとめ
- 3SSは2025年12月1日開始の新しい試験。約60問・90分(解答時間は実質85分)・受験料27,500円(税込)
- 受験自体は誰でも可能。ただし認定には有意なLinuCレベル2の保有が必要
- 合格ラインは公表されていない
- 配点は「重要度」の数値(6主題22副主題・合計60)。権限制御15・システム保護と監査12が上位
- 重要度4はネットワークセキュリティただ1つで、重要度3が14副主題と広く分布する
- 山が低く、丸ごと捨てられる主題はない。権限制御を土台に前から積む
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参考(公式・一次情報)
- LinuC レベル3 3SS試験 出題範囲(LinuC-3SS Version 1.0)(主題・副主題と重要度の数値)
- LinuC レベル3 セキュリティスペシャリスト 試験概要(問題数・試験時間・受験料・試験言語・認定要件・受験の前提条件)
- LinuC よくあるご質問(レベル3 SS試験の受験料・出題形式・有意性の期限)
※ 本記事は2026年9月9日時点で公式ページを確認して作成しています。試験仕様・出題範囲・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。