結論:CCNAは「配点25%のIPコネクティビティ」を軸に、サブネットから積む
CCNAは、Ciscoが提供するネットワーク技術者認定の登竜門にあたる試験です。試験コードは200-301。IPアドレッシングとサブネット、スイッチング、ルーティング、IPサービス、セキュリティの基礎、そして自動化とプログラマビリティまで、ネットワークエンジニアの実務に必要な範囲を1試験で幅広く問います。
範囲が広いぶん、「どこから手を付けるか」で学習効率が大きく変わります。結論は次の順です。
- IPアドレッシングとサブネッティングの計算を、手が止まらない速さまで固める
- **ルーティング(IPコネクティビティ・配点25%)**をスタティックルート → OSPFの順に通す
- **スイッチング(ネットワークアクセス・配点20%)**でVLAN・トランク・STPを固める
- 残りのIPサービス・セキュリティ・自動化を配点なりの時間で仕上げる
理由は配点にあります。順に見ていきます。
CCNA (200-301)の問題演習はこちら →(第1回の模試は無料の会員登録ですぐ解けます)
試験の基本情報
現行の出題範囲は**バージョン1.1(v1.1)**です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | CCNA(試験コード 200-301)※現行バージョン v1.1 |
| 運営 | Cisco |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | Ciscoは公式に公表していません(一般には100〜120問程度と言われています) |
| 出題形式 | 選択式が中心。実機を模した画面でCisco IOSのコマンドを入力させる形式の出題があることでも知られています |
| 出題範囲の版 | v1.1(現行)。2027年2月3日からv2.0の提供開始が予定されています |
受験料・合格ライン・認定の有効期間について:本記事ではこの3つを掲載していません。執筆時点でCisco公式サイトの該当ページを参照できず、裏の取れた数字を示せなかったためです。ネット上には各社の解説記事がありますが、金額や合格スコアは受験申し込みに直結する情報なので、必ずCisco公式サイトでご確認ください。
出題数が公表されていない点は、学習の組み立てに地味に効きます。「何問中何問取れば」という逆算ができないので、時間配分の練習は問題数ではなく「120分をどう使うか」で考えることになります。実機コマンドを入力する形式の設問は1問あたりの所要時間が読みにくいため、選択式で時間を稼いでおく感覚が必要です。
出題範囲と配点 ── 6分野の重みを頭に入れる
v1.1の公式ブループリントでは、次の6分野に配点比率が定義されています。
| 分野 | 配点 |
|---|---|
| ネットワークの基礎(Network Fundamentals) | 20% |
| ネットワークアクセス(Network Access) | 20% |
| IPコネクティビティ(IP Connectivity) | 25%(最大) |
| IPサービス(IP Services) | 10% |
| セキュリティの基礎(Security Fundamentals) | 15% |
| 自動化とプログラマビリティ(Automation and Programmability) | 10% |
読み取れることは3つです。
- 上位3分野で65%。ネットワークの基礎・ネットワークアクセス・IPコネクティビティを固めれば、得点の3分の2に手が届きます。
- 最大は「IPコネクティビティ」の25%。ルーティングテーブルの読み方、スタティックルート、シングルエリアOSPFv2、FHRPが中心です。ここを曖昧にしたまま先へ進むと、後半で崩れます。
- 「自動化とプログラマビリティ」も10%ある。REST API・JSON・コントローラベースの管理といった、従来のCCNA像にはなかった領域です。配点は小さいものの、丸ごと捨てると1割を失います。用語と位置づけを押さえる程度で十分得点になる領域なので、直前期に短時間で回収するのが効率的です。
取り違えやすい2点 ── STPとEIGRP
学習配分でよく誤解されるところなので、先に明記しておきます。
- STP(Rapid PVST+)は出題範囲に含まれます。 「ネットワークアクセス」領域の項目(2.5)として定義されています。範囲外だと思って飛ばすと、配点20%の分野に穴が空きます。
- EIGRPはv1.1のブループリントに単独の設定・検証項目を持ちません。 OSPFとの管理者ディスタンス比較などで触れられる程度にとどまります。EIGRPの設定手順を丸暗記する時間があるなら、OSPFの設定と検証に寄せるほうが得点につながります。
ルーティングプロトコルは教材によって扱いの厚みが違うため、手元の教材の分量ではなく、公式ブループリントの項目立てで学習配分を決めるのが確実です。
学習順 ── 配点から逆算する
第1段階:サブネッティングを「計算」から「反射」にする
CCNAの土台はIPアドレッシングです。/26のネットワークアドレスとブロードキャストアドレスが、紙とペンなしで出てくる状態を作ってください。ここが遅いと、ルーティングでもACLでも毎回そこで時間を溶かします。配点20%の「ネットワークの基礎」への直接の得点でもあります。
第2段階:IPコネクティビティ(25%)を通す
ルーティングテーブルの読み方 → スタティックルート → シングルエリアOSPFv2 → FHRP、の順です。最大配点の分野なので、ここに一番長い時間を割り当てて構いません。**「設定できる」だけでなく「show の出力を読んで状況を説明できる」**ところまでを目標にしてください。
第3段階:ネットワークアクセス(20%)
VLANとトランク、EtherChannel、Rapid PVST+(STP)、無線LANの構成。スイッチ側の範囲です。VLAN間ルーティングまで含めると第2段階の内容と噛み合うため、この順で学ぶと知識がつながります。
第4段階:残りを配点なりに
セキュリティの基礎(15%・ACL・ポートセキュリティ・AAA・無線セキュリティ)、IPサービス(10%・NAT・NTP・DHCPとDNS・SNMPとSyslog・QoS・SSH)、自動化とプログラマビリティ(10%)。**この3分野で35%**あるので、「余ったらやる」ではなく最初からスケジュールに入れておいてください。
勉強時間の目安
未経験からの目安として、各種解説サイトでは200〜300時間程度・期間にして3〜6か月程度が紹介されることが多いようです。Cisco公式の基準ではないため、参考程度に扱ってください。
ネットワーク業務の経験がある方はここから短縮できますが、短縮しにくいのはコマンドを打つ練習の部分です。座学の時間だけを削って、手を動かす時間は残す配分をおすすめします。
2027年2月3日からのv2.0 ── 受験時期で範囲が変わる
Ciscoの公式アナウンスでは、2027年2月3日からバージョン2.0(v2.0)の提供が予定されています。CLIでの実技的な出題の比重が上がる方向とされています。
判断の目安はこうなります。
- 2027年2月2日までに受験し切る予定の方 ── 現行v1.1の範囲で問題ありません。本記事の配点もv1.1のものです
- 受験がそれ以降になりそうな方 ── 学習を始める前に、Cisco公式サイトで対象バージョンと出題範囲を確認してください。教材の版にもご注意を
「いま学んだ内容が無駄になるのでは」と心配になるかもしれませんが、サブネッティング・ルーティング・スイッチングというCCNAの芯の部分が消えることは考えにくく、土台の学習を先に進めておいて損はありません。バージョンの差分は、受験時期が近づいてから公式ブループリントで確認するのが現実的です。
よくある質問
Q. CCNAの出題数は何問ですか?
Ciscoは公式に公表していません。 一般には100〜120問程度と言われていますが、公式の数字ではありません。試験時間の120分だけが公表値です。
Q. CCNAの合格ラインは?
本記事では扱っていません。執筆時点でCisco公式サイトの該当ページを参照できず、裏の取れた数字を示せなかったためです。お申し込み前に必ずCisco公式サイトでご確認ください。
Q. EIGRPは勉強しなくていいですか?
v1.1のブループリントには、EIGRPの単独の設定・検証項目がありません。OSPFとの管理者ディスタンス比較などで触れられる程度です。設定手順の丸暗記に時間を割くより、OSPFの設定と検証を厚くするほうが得点に直結します。
Q. STPは範囲外だと聞きましたが?
範囲内です。Rapid PVST+として「ネットワークアクセス」の項目(2.5)に含まれます。配点20%の分野なので、飛ばさないでください。
Q. いまから始めてv2.0に間に合いますか?
v2.0の提供開始は2027年2月3日の予定です。それまでに受験し切る計画なら現行v1.1の対策で問題ありません。受験がそれ以降になりそうな場合も、サブネッティングやルーティングといった土台の学習は無駄になりにくいので、先に進めておいて、範囲の差分だけ後から公式で確認するのが現実的です。
まとめ
- 現行は200-301 v1.1、試験時間は120分。出題数はCisco非公表
- 配点は6分野で 20/20/25/10/15/10%。最大はIPコネクティビティの25%
- 上位3分野で65%。サブネッティング → ルーティング → スイッチングの順に固める
- STP(Rapid PVST+)は範囲内、EIGRPは単独項目なし ── 学習配分を取り違えない
- 勉強時間の目安は未経験で200〜300時間・3〜6か月(公式基準ではありません)
- 2027年2月3日からv2.0。受験時期が近い方は対象バージョンを公式で確認
CCNAは、コマンドを実際に打つ設問があるぶん、選択式の問題集だけでは仕上がりきらない試験です。資格道場のCCNA問題集は全540問。四肢択一300問に加えて、本試験と同じくCisco IOSのコマンドを実際に入力する形式を、1行で答える形式120問と、ターミナル画面で手順を積む実技形式120問の2種類で収録しています(第1回の模試は無料の会員登録で試せます)。
コマンド入力形式にどう備えるかは、コマンド入力問題の対策 ── LinuC・CCNAで「手が動かない」を潰すで詳しく解説しています。
あわせて検討したい資格
- LinuC レベル1 101試験 ── サーバー側のもう一本の柱。学習の進め方はLinuCの勉強法と学習順へ
- インフラ1年目の資格の並べ方はインフラエンジニア1年目の資格取得ロードマップにまとめています
※ 本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。出題範囲・配点はCCNA 200-301 v1.1の公式ブループリントによります。受験料・合格ライン・認定の有効期間は、裏付けの取れた一次情報を確認できなかったため本記事では扱っていません。試験仕様は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ずCisco公式サイトで最新情報をご確認ください。