結論:基盤モデルを「本番に載せる」側の判断が問われる試験
AIP-C01(AWS Certified Generative AI Developer - Professional)は、基盤モデル(FM)をアプリケーションや業務ワークフローに組み込み、本番環境で動かす力を測るプロフェッショナルレベルの試験です。
勉強法の結論を先に書きます。生成AIの仕組みを学ぶのではなく、「すでにあるモデルを、要件に合わせてどう選び・どうつなぎ・どう守るか」の判断を鍛えることが要です。
これは推測ではなく、公式試験ガイドが対象外を明示しています。モデルの開発と訓練、高度なML手法、データエンジニアリングと特徴量エンジニアリングは対象外です。つまり「モデルを作る人」の試験ではなく、「モデルを使って本番システムを組む人」の試験です。学習の力点をここで間違えると、時間を大きく無駄にします。
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試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | AWS Certified Generative AI Developer - Professional |
| 試験コード | AIP-C01 |
| 運営 | Amazon Web Services(AWS) |
| レベル | プロフェッショナル |
| 問題数 | 75問(うち採点対象65問・非採点10問。非採点問題は試験中に区別できません) |
| 試験時間 | 180分 |
| 合格ライン | 750点(100〜1,000のスケールスコア) |
| 出題形式 | 択一選択(正解1・誤答3)/複数選択(5つ以上の選択肢から2つ以上を全て選択) |
| 受験料 | 300 USD(AWS認定ページ記載。地域・通貨により表示が変わります) |
| 試験言語 | 英語・日本語・韓国語・簡体中国語 |
| 受験方法 | ピアソンVUEのテストセンター、またはオンライン監督試験 |
180分で75問なので、1問あたり約2分24秒。アソシエイトレベルより1問あたりの時間は長めですが、プロフェッショナルレベルは設問文とシナリオが長いため、実際の余裕はそれほど大きくありません。
合格ラインは750点で、アソシエイトの720点より高く設定されています。採点は補正型で分野別の基準点はなく、全体で750点に届けば合格です。無解答は不正解として扱われ、当てずっぽうによる減点はありません。
複数選択問題は正解を全て選ばないと得点にならない点に注意してください。部分点はありません。
出題範囲と配点
公式試験ガイドの「Content outline」に示された5分野と配点です。
| 分野 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1分野 | 基盤モデルの統合、データ管理、コンプライアンス | 31% |
| 第2分野 | 実装と統合 | 26% |
| 第3分野 | AIの安全性、セキュリティ、ガバナンス | 20% |
| 第4分野 | GenAIアプリケーションの運用効率と最適化 | 12% |
| 第5分野 | テスト、検証、トラブルシューティング | 11% |
最大配点は第1分野の31%です。ここには要件分析とソリューション設計、FMの選定と構成、FMに渡すデータの検証・処理パイプライン、ベクトルストアの設計と実装、FMを補強するための検索機構(RAG)の設計、プロンプトエンジニアリングの戦略とガバナンスが含まれます。
第2分野の「実装と統合」26%と合わせると57%。エージェント型AIとツール連携、モデルのデプロイ戦略、エンタープライズ統合アーキテクチャ、FMのAPI連携がここに入ります。つまり試験の6割弱が「RAGとエージェントを本番に載せる」領域です。
第3分野の安全性・セキュリティ・ガバナンス20%も軽くありません。入出力の安全制御、データセキュリティとプライバシー、コンプライアンス機構、責任あるAIの原則。プロフェッショナルレベルらしく、動かすだけでなく守れるかまで問われます。
第4・第5分野は合わせて23%と小さめですが、コスト最適化・性能最適化・監視、そして評価(evaluation)とトラブルシューティングという、運用に入ってから効く領域です。
独学の順番
- 公式試験ガイドで、対象外の職務を先に確認する。 モデル開発・訓練、高度なML手法、データエンジニアリングは範囲外です。ここを最初に切り落とすことで、学習量が現実的な大きさになります。
- 第1分野のRAGとベクトルストアを最初の山に置く。 検索機構の設計、埋め込みの扱い、ナレッジベースの構成。最大配点であり、第2分野の前提でもあります。
- 第2分野でエージェントとツール連携、デプロイ戦略を積む。 「どのようにモデルを呼ぶか」だけでなく、「既存の業務システムとどうつなぐか」という統合パターンまで含めて押さえます。
- 第3分野を、第1〜2分野で作った構成に重ねる。 ガードレール的な入出力制御、機密データの扱い、責任あるAIの原則を、既に描いた構成図に後から書き足す形にすると理解が早く定着します。
- 第4・第5分野は仕上げの段階でまとめて。 コスト・性能・監視・評価・トラブルシューティングは、前半の内容が入っていないと設問の意図がつかめません。最後に回すほうが効率的です。
つまずきやすいところ
「作る」と「選ぶ」の混同が最大の落とし穴です。生成AIを勉強すると、どうしてもモデルの内部構造や学習手法に興味が向きます。しかしこの試験で問われるのは、要件が与えられたときに既存のFMをどう選び、どう構成するかの判断です。公式が対象外と明示している領域に時間を投じないでください。
対象範囲のサービスが非常に広い点も見落とせません。公式ガイドのIn-Scope AWS Servicesには、機械学習系だけでなくコンピューティング、コンテナ、データベース、ネットワーク、セキュリティ、ストレージまで幅広く並びます。プロフェッショナルレベルであるため、AWSの一般的なアーキテクチャの素養が前提になっています。
複数選択の全問正解要件も、模試の段階で慣れておきたい点です。「2つ選べ」で1つしか合っていない場合、得点はゼロです。選択肢を絞り切れないときの時間配分を、演習で決めておいてください。
よくある質問
Q. AIP-C01の勉強時間はどれくらいですか?
公式に勉強時間の基準は示されていません。プロフェッショナルレベルの試験全般について、数十時間から百時間以上と言われることが多いものの、これは公式の基準ではありません。公式の対象候補者像では、AWSまたはオープンソース技術で本番相当のアプリケーションを構築した経験2年以上、生成AIソリューションの実装経験1年相当が推奨とされています。
Q. AIF-C01(AI Practitioner)を先に取るべきですか?
AWS認定に前提資格の要件はないため、直接AIP-C01を受験できます。ただしレベル差は大きく、AIP-C01はAWSの一般的な設計知識を前提としています。生成AIの用語からという方は、AIF-C01の学習で土台を作ってからのほうが無理がありません。
Q. 日本語で受験できますか?
はい。AIP-C01は英語・日本語・韓国語・簡体中国語で提供されています。ただし新しいサービス名や機能名は英語表記のまま出ることがあるため、用語は英語でも読めるようにしておくと安心です。
Q. 「過去問」はありますか?
AWS認定試験には秘密保持契約があり、本試験の問題は公開されません。厳密な意味での過去問は存在しないため、公式試験ガイドと模試形式の演習で範囲を潰していく形になります。
まとめ
- AIP-C01は75問(採点対象65問・非採点10問)・180分・合格750点(100〜1,000のスケールスコア)
- 配点は基盤モデルの統合・データ管理・コンプライアンス31%が最大、実装と統合26%が続き、この2つで6割弱
- 安全性・セキュリティ・ガバナンスが20%。動かすだけでなく守れるかまで問われる
- モデルの開発・訓練、高度なML手法、データエンジニアリングは公式に対象外
- 複数選択は正解を全て選ばないと得点にならない(部分点なし)
- 受験料は300 USD、日本語受験に対応
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参考(公式・一次情報)
- AWS Certified Generative AI Developer - Professional (AIP-C01) Exam Guide(問題数・試験時間・合格ライン・5分野の配点・出題形式・対象外の職務)
- AWS Certified Generative AI Developer - Professional 認定ページ(受験料・対応言語・受験方法)
※ 本記事は2026年9月9日時点で公式試験ガイドおよびAWS認定ページを確認して作成しています。試験仕様・出題範囲・受験料は改定されることがあるため、お申し込みの前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。