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経済産業省(IPA)Level 5

難易度は Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関) の5段階です。

情報処理安全確保支援士のサンプル問題(本番形式・解説付き)

情報処理安全確保支援士(経済産業省(IPA)・情報処理安全確保支援士試験(SC))の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録ですぐ解ける模試 第1回(25問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全317問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。

設問1

DRDoS(Distributed Reflection Denial of Service)攻撃の手口に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • 攻撃者が単一のホストから対象サーバへ大量のリクエストを直接送信し、処理能力を枯渇させる。
  • 攻撃者が送信元IPアドレスを攻撃対象のものに偽装したリクエストを、多数の第三者サーバへ送信し、それらのサーバからの応答を攻撃対象に集中させる。(正解)
  • 攻撃者が対象サーバの脆弱性を突いてroot権限を奪取し、内部データを窃取する。
  • 攻撃者が対象組織の従業員になりすましたメールを送り、認証情報を詐取する。

解説

DRDoS攻撃は、送信元IPアドレスを攻撃対象に偽装したリクエストを多数の第三者(踏み台)サーバへ送りつけ、それらのサーバからの応答トラフィックを攻撃対象に集中させることで負荷をかける手口である。

他の選択肢が誤りである理由

  • 攻撃者が単一のホストから対象サーバへ大量のリクエストを直接送信し、処理能力を枯渇させる。単一ホストから直接大量送信する手口は一般的なDoS攻撃の説明であり、第三者を反射(リフレクション)に利用するDRDoSの特徴である「反射」の要素が含まれていない。
  • 攻撃者が対象サーバの脆弱性を突いてroot権限を奪取し、内部データを窃取する。root権限の奪取や内部データの窃取は不正アクセス・侵入行為の説明であり、可用性を低下させることを狙うDoS/DDoS系の攻撃であるDRDoSの説明ではない。
  • 攻撃者が対象組織の従業員になりすましたメールを送り、認証情報を詐取する。従業員になりすましたメールによる認証情報詐取はフィッシング攻撃の説明であり、DRDoS攻撃とは攻撃の類型(可用性への攻撃か、詐取行為か)が異なる。

設問2

SAML(Security Assertion Markup Language)2.0の仕様が規定する構成要素に関する記述のうち、適切なものはどれか。

  • Bindingは、IdPとSPの間で交換される主張(Assertion)の暗号化アルゴリズムを規定する要素であり、SAMLメッセージの送信経路には関与しない。
  • Profileは、SAMLメッセージをHTTPなどの下位通信プロトコルにどのように対応付けるかを規定する要素であり、Assertionの内容には関与しない。
  • Assertionは、認証・属性・認可判定などの主張内容を記述するXML要素であり、Protocolはその主張を要求・応答する際のメッセージ交換規則を定める。(正解)
  • SAMLでは、IdPとSPの間の通信は常にSOAPバインディングを使用することが必須であり、HTTP Redirectなどのバインディングは規定されていない。

解説

SAML 2.0はAssertion・Protocol・Binding・Profileの4つの構成要素からなり、Assertionが主張内容、Protocolがその要求・応答手順を規定する。

他の選択肢が誤りである理由

  • Bindingは、IdPとSPの間で交換される主張(Assertion)の暗号化アルゴリズムを規定する要素であり、SAMLメッセージの送信経路には関与しない。Bindingが規定するのは暗号化アルゴリズムではなく、SAMLメッセージをHTTP Redirect・HTTP POST・SOAPなどの下位通信プロトコルにどう対応付けるかという伝送方法であり、記述は誤り。
  • Profileは、SAMLメッセージをHTTPなどの下位通信プロトコルにどのように対応付けるかを規定する要素であり、Assertionの内容には関与しない。Profileが規定するのは下位プロトコルへの対応付け(それはBindingの役割)ではなく、Webブラウザ SSOなどの具体的なユースケースにおいてAssertion・Protocol・Bindingをどう組み合わせて使うかという枠組みであり、記述は誤り。
  • SAMLでは、IdPとSPの間の通信は常にSOAPバインディングを使用することが必須であり、HTTP Redirectなどのバインディングは規定されていない。SAML 2.0はHTTP Redirect、HTTP POST、HTTP Artifact、SOAPなど複数のバインディングを規定しており、SOAPバインディングの使用が必須というわけではない。WebブラウザSSOでは主にHTTP RedirectとHTTP POSTが用いられる。

設問3

OSPFとRIP-2はいずれもIPネットワークで用いられるルーティングプロトコルであるが、両者のアルゴリズム上の分類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • OSPFはリンクステート型であり、各ルータがネットワーク全体のトポロジ情報を基にダイクストラ法で最短経路を計算するのに対し、RIP-2は距離ベクトル型であり、隣接ルータから受け取った経路情報(距離と方向)を基に経路表を更新する。(正解)
  • OSPFは距離ベクトル型であり隣接ルータのみと経路情報を交換するのに対し、RIP-2はリンクステート型でありネットワーク全体のトポロジ情報を保持する。
  • OSPFとRIP-2はどちらもリンクステート型のルーティングプロトコルであり、アルゴリズムの違いはメトリックの計算方法だけである。
  • OSPFとRIP-2はどちらも距離ベクトル型のルーティングプロトコルであり、ベルマンフォード法によって経路を計算する点で共通している。

解説

OSPFはリンクステート型でダイクストラ法(SPF)により最短経路を計算し、RIP-2は距離ベクトル型で隣接ルータとの経路情報交換によって経路表を更新するプロトコルです。

他の選択肢が誤りである理由

  • OSPFは距離ベクトル型であり隣接ルータのみと経路情報を交換するのに対し、RIP-2はリンクステート型でありネットワーク全体のトポロジ情報を保持する。OSPFとRIP-2の分類が逆である。OSPFがリンクステート型、RIP-2が距離ベクトル型であり、記述内容が反対になっている。
  • OSPFとRIP-2はどちらもリンクステート型のルーティングプロトコルであり、アルゴリズムの違いはメトリックの計算方法だけである。RIP-2はリンクステート型ではなく距離ベクトル型のプロトコルである。両者のアルゴリズム上の違いはメトリック計算だけにとどまらず、経路情報の収集・伝搬方式そのものが異なる。
  • OSPFとRIP-2はどちらも距離ベクトル型のルーティングプロトコルであり、ベルマンフォード法によって経路を計算する点で共通している。OSPFは距離ベクトル型ではなくリンクステート型である。ベルマンフォード法(またはその派生)を用いるのはRIP-2などの距離ベクトル型プロトコルであり、OSPFはダイクストラ法を用いる。

設問4

量子コンピュータの実用化が暗号技術に与える影響に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • Groverのアルゴリズムにより、AESなどの共通鍵暗号は量子コンピュータに対して古典コンピュータと同程度の安全性しか提供できなくなる。
  • Shorのアルゴリズムを実行できる大規模な量子コンピュータが実現すると、素因数分解問題や離散対数問題の困難性を安全性の根拠とするRSAやECC(楕円曲線暗号)は多項式時間で解読される可能性がある。(正解)
  • 量子コンピュータの実用化後は、SHA-256などのハッシュ関数は完全に無力化されるため、ハッシュ関数を用いた署名方式は使用できなくなる。
  • 量子コンピュータは古典コンピュータより計算能力が低いため、暗号技術への影響はほとんどない。

解説

Shorのアルゴリズムは量子コンピュータ上で素因数分解・離散対数問題を多項式時間で解くため、これらの困難性に安全性根拠を置くRSA・ECC等の公開鍵暗号は将来的に解読されるおそれがある。

他の選択肢が誤りである理由

  • Groverのアルゴリズムにより、AESなどの共通鍵暗号は量子コンピュータに対して古典コンピュータと同程度の安全性しか提供できなくなる。誤り。GroverのアルゴリズムはAES等の共通鍵暗号に対して2次(quadratic)の高速化しかもたらさず、鍵長を倍増する(例:AES-128→AES-256)ことで実用上十分な安全性を維持できるとされ、『古典コンピュータと同程度』という表現は不正確である。
  • 量子コンピュータの実用化後は、SHA-256などのハッシュ関数は完全に無力化されるため、ハッシュ関数を用いた署名方式は使用できなくなる。誤り。ハッシュ関数もGroverのアルゴリズムにより探索が高速化されるが、これは2次の高速化にとどまり、出力長を十分に確保すれば実用上の安全性は維持できるため、『完全に無力化される』は誤りである。
  • 量子コンピュータは古典コンピュータより計算能力が低いため、暗号技術への影響はほとんどない。誤り。大規模な誤り耐性量子コンピュータが実現すれば、特定の問題(素因数分解・離散対数等)に対しては古典コンピュータよりも指数関数的に高速に解を求められるとされており、暗号技術への影響は大きいと想定されている。

設問5

アジャイル開発のスクラムにおいて用いられる振り返り手法「KPT」に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • KPTは、開発対象システムの品質特性をISO/IEC 25010に基づいて評価するための、品質特性別チェックリストの略称である。
  • KPTは、プロジェクトの進捗をガントチャート上で管理し、クリティカルパスを特定するための工程管理手法である。
  • KPTは、Keep(継続すべき良かった点)、Problem(問題点)、Try(次に試す改善策)の三つの観点でチームの活動を振り返り、次のスプリントへの改善につなげる手法である。(正解)
  • KPTは、ソースコードの静的解析によってコーディング規約違反を検出する自動検査ツールの一種である。

解説

KPTはKeep・Problem・Tryの3観点でスプリントを振り返り、次のスプリントの改善アクションにつなげるスクラムの代表的な振り返り手法である。

他の選択肢が誤りである理由

  • KPTは、開発対象システムの品質特性をISO/IEC 25010に基づいて評価するための、品質特性別チェックリストの略称である。誤り。ISO/IEC 25010は品質特性モデルの規格であり、KPTとは別の概念である。品質特性別チェックリストの略称でもない。
  • KPTは、プロジェクトの進捗をガントチャート上で管理し、クリティカルパスを特定するための工程管理手法である。誤り。ガントチャートやクリティカルパスはプロジェクトの工程管理手法であり、チームの振り返り手法であるKPTとは異なる。
  • KPTは、ソースコードの静的解析によってコーディング規約違反を検出する自動検査ツールの一種である。誤り。KPTはソースコードの自動検査ツールではなく、チームの活動を振り返る定性的なフレームワークである。

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