難易度は Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関) の5段階です。
SC-900のサンプル問題(本番形式・解説付き)
SC-900(Microsoft・Security, Compliance, and Identity Fundamentals)の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録で解ける模試 第1回(51問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全351問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
Azure DDoS Protection と Azure Web Application Firewall の役割分担について、正しい説明はどれか。
- DDoS Protection は受信した HTTP要求の署名を照合するため、WAF を併用しなくても同じ範囲の攻撃を止められる
- WAF は仮想ネットワーク全体の帯域を監視するため、DDoS Protection を有効にしなくても大規模な帯域飽和の攻撃を吸収できる
- どちらも仮想マシンのゲストOS内で動作するエージェントとして構成し、ホスト単位で受信トラフィックを検査する
- 大量のトラフィックによる攻撃は DDoS Protection が緩和し、アプリケーション層を狙う攻撃は WAF と組み合わせて防御する(正解)
解説
DDoS Protection はネットワーク層・転送層の大量トラフィック攻撃を緩和し、アプリケーション層(リソース層)の攻撃には WAF との組み合わせが必要です。
他の選択肢が誤りである理由
- 「DDoS Protection は受信した HTTP要求の署名を照合するため、WAF を併用しなくても同じ範囲の攻撃を止められる」DDoS Protection は HTTP要求の内容や署名を照合する仕組みを持たず、アプリケーション層の攻撃までは単独で扱えない。
- 「WAF は仮想ネットワーク全体の帯域を監視するため、DDoS Protection を有効にしなくても大規模な帯域飽和の攻撃を吸収できる」WAF が見るのは HTTP/HTTPS のアプリケーション層であり、帯域を飽和させる規模のトラフィックを吸収する仕組みではない。
- 「どちらも仮想マシンのゲストOS内で動作するエージェントとして構成し、ホスト単位で受信トラフィックを検査する」どちらもマネージドのサービスとして提供され、仮想マシンのゲストOSにエージェントを導入して使うものではない。
設問2
Microsoft Entra では ID を人間 ID・ワークロード ID・デバイス ID・エージェント ID の4種類に分類している。このうちデバイス ID に該当する説明はどれか。
- デスクトップ PC やスマートフォン、IoT センサーなどの機器そのものを表す(正解)
- 自律的に、または利用者に代わって動作する AI エージェントを表す
- 従業員・取引先・顧客など、組織に関わる人そのものを表す
- アプリケーションやサービス、スクリプト、コンテナーなどのソフトウェアを表す
解説
デバイス ID は PC やスマートフォン、IoT 機器といったハードウェアそのものを表す ID で、人間 ID とは区別されます。
他の選択肢が誤りである理由
- 「自律的に、または利用者に代わって動作する AI エージェントを表す」これはエージェント ID の説明で、Microsoft Entra Agent ID が提供する AI エージェント向けの ID です。
- 「従業員・取引先・顧客など、組織に関わる人そのものを表す」これは人間 ID の説明で、従業員や外部の取引先・顧客といった人を表します。
- 「アプリケーションやサービス、スクリプト、コンテナーなどのソフトウェアを表す」これはワークロード ID の説明で、アプリケーションやサービスなどのソフトウェア コンポーネントを表します。
設問3
秘密度ラベルの特徴を説明したものとして、最も適切なものはどれか。
- 1つの文書に複数の秘密度ラベルを同時に適用でき、それぞれの暗号化とマーキングの保護設定が重なって有効になる
- ラベルを適用できるのは SharePoint や OneDrive に保存された文書だけで、端末にコピーすると設定は解除される
- ラベルの情報は文書に埋め込まれて持ち運ばれ、組織外へ渡った後も暗号化などの保護設定が働き続ける(正解)
- ラベルを適用した文書は読み取り専用になり、編集するには一度ラベルを外す必要がある
解説
秘密度ラベルは文書のメタデータとして保持され、暗号化やコンテンツ マーキングの設定が文書とともに移動するため、組織外に出た後も保護が有効です。
他の選択肢が誤りである理由
- 「1つの文書に複数の秘密度ラベルを同時に適用でき、それぞれの暗号化とマーキングの保護設定が重なって有効になる」秘密度ラベルは1つの項目に1つだけ適用でき、複数のラベルを重ねて有効にする構成にはできません。
- 「ラベルを適用できるのは SharePoint や OneDrive に保存された文書だけで、端末にコピーすると設定は解除される」秘密度ラベルは Office アプリや端末上のファイルにも適用でき、保存場所を移しても設定は保たれます。
- 「ラベルを適用した文書は読み取り専用になり、編集するには一度ラベルを外す必要がある」ラベル自体が文書を読み取り専用にするわけではなく、編集の可否は暗号化に設定するアクセス許可によって決まります。
設問4
送信 HTTPS 通信の TLS 検査と、シグネチャベースの侵入検知防止システム(IDPS)を Azure Firewall で利用したいと考えています。必要な SKU はどれですか。
- Standard
- Basic
- Azure Firewall Manager
- Premium(正解)
解説
TLS 検査とシグネチャベースの IDPS は Azure Firewall Premium の高度な機能です。Premium は 5 万を超えるシグネチャによって、マルウェア・フィッシング・コインマイニングなどの攻撃をリアルタイムに検出・遮断します。
他の選択肢が誤りである理由
- 「Standard」誤り。Standard は L3〜L7 のフィルタリングと脅威インテリジェンスベースのフィルタリングを提供しますが、TLS 検査やシグネチャベースの IDPS は含まれません。
- 「Basic」誤り。Basic は中小規模向けの簡易 SKU で、脅威インテリジェンスも警告モードのみ、スケールも固定です。IDPS や TLS 検査は利用できません。
- 「Azure Firewall Manager」誤り。Azure Firewall Manager は SKU ではなく、複数サブスクリプションのファイアウォールをファイアウォールポリシーで一元管理する仕組みです。機能そのものを追加するものではありません。
設問5
「ID が主要なセキュリティ境界になった」と説明される背景として、最も適切なものはどれか。
- VPN と社内ネットワークだけを経路として許可すれば、利用者の所在にかかわらず安全性を保てるようになったため
- モバイルデバイス管理の普及により、端末の管理状態だけでアクセスの可否を判断できるようになったため
- 多要素認証の導入が進み、ネットワーク層の制御を補う手段が増えたため
- クラウドや個人所有端末の利用が広がり、ネットワーク境界の内側だけを守る前提が成り立たなくなったため(正解)
解説
クラウドサービスや個人所有端末、SaaS の利用が一般化して組織のネットワーク境界が曖昧になったため、どこからアクセスされても一貫して制御できる ID が主要な境界として扱われるようになった。
他の選択肢が誤りである理由
- 「VPN と社内ネットワークだけを経路として許可すれば、利用者の所在にかかわらず安全性を保てるようになったため」すべての通信を社内ネットワーク経由に集約する構成は、SaaS の直接利用や社外端末が一般化した環境では成り立たなくなっており、ID を境界とみなす考え方が生まれた背景とはむしろ逆の発想である。
- 「モバイルデバイス管理の普及により、端末の管理状態だけでアクセスの可否を判断できるようになったため」端末の管理状態はアクセス制御に用いる重要な信号のひとつではあるが、利用者・アプリケーション・サービスを含む ID 全般を境界とみなす理由を説明するものではない。
- 「多要素認証の導入が進み、ネットワーク層の制御を補う手段が増えたため」多要素認証は実際に広まっているが、それはIDを守る手段であって、IDが主要な境界になった背景そのものの説明ではない。
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