LPI-JapanLevel 5

難易度は Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関) の5段階です。

LinuC レベル4 4SA01試験のサンプル問題(本番形式・解説付き)

LinuC レベル4 4SA01試験(LPI-Japan・LinuC-4SA システムアーキテクト(4SA01))の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録で解ける模試 第1回(40問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全320問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。

設問1

非同期のメッセージ基盤において、受信者を1つから2つへ増やしたときの振る舞いの違いを述べたものとして最も適切なものはどれか。

  • キューでは処理が2つに分担され、トピックでは同じメッセージを2つとも受け取る。(正解)
  • どちらでも処理が2つに分担され、違いは配り終えたメッセージが残るかどうかにある。
  • どちらでも同じメッセージを2つとも受け取り、違いは順序が保たれるかどうかにある。
  • キューでは同じメッセージを2つとも受け取り、トピックでは処理が2つに分担される。

解説

キューは1つのメッセージを1つの受信者が取り出す配送モデルで、受信者を増やすと処理が分担されます。トピックは1つのメッセージを購読者全員へ配る Pub/Sub の形なので、受信者を増やすと同じ処理が全員で実行されます。この2つを入れ替えた記述が最も多い誤りの型です。「どちらでも同じメッセージを2つとも受け取り」は誤りです。キューでは1つのメッセージを1つの受信者が取り出すため、両方が受け取ることはありません。(根拠: 学習用テキスト 2-3 非同期通信 ── キュー・ストリーム・トピック [1.2]・学習用テキスト 2-9 混同しやすい対の概念 [1.2])

他の選択肢が誤りである理由

  • 「どちらでも処理が2つに分担され、違いは配り終えたメッセージが残るかどうかにある。」トピックでは購読者全員が同じメッセージを受け取るため、処理は分担されません。
  • 「どちらでも同じメッセージを2つとも受け取り、違いは順序が保たれるかどうかにある。」キューでは1つのメッセージを1つの受信者が取り出すため、両方が受け取ることはありません。
  • 「キューでは同じメッセージを2つとも受け取り、トピックでは処理が2つに分担される。」2つの配送モデルが入れ替わっています。分担されるのがキューの側です。

設問2

ホストが NAPT を行う内部ネットワークに仮想マシンを置いている。外部の機器から仮想マシンへ直接アクセスしたいという要件が追加された。この構成の性質として最も適切なものはどれか。

  • 外部から内部への通信は成立しますが、内部から外部への通信のほうは、ポート転送を明示的に設定しない限り到達できません。
  • 内部から外部への通信も外部から内部への通信も、ホストに変換の表が作られるため、設定を追加しなくても到達できます。
  • 内部から外部への通信は成立し、外部から内部への通信もホストが内部へ DHCP を提供していればそのまま到達できます。
  • 内部から外部への通信は成立しますが、外部から内部への通信はポート転送を明示的に設定しない限り到達できません。(正解)

解説

NAT/NAPT では、内部から外部への通信は変換によって成立しますが、外部から内部への通信はポート転送を明示的に設定しない限り到達できません。仮想マシンやコンテナを外から直接アクセスさせたいという要件があるなら、NAT 構成ではなくブリッジ接続を選ぶ、というのが設問の分かれ目になります。「内部から外部への通信は成立し、外部から内部への通信もホストが内部へ DHCP を提供していればそのまま到達できます」は誤りです。DHCP は内部ネットワークへアドレスを配る仕組みで、外部から内部への到達性を作るものではありません。(根拠: 学習用テキスト 3-2 Linux ホストの中で何が起きているか [2.1]・学習用テキスト 3-3 仮想マシンとコンテナの主要なネットワーク設定 [2.1])

他の選択肢が誤りである理由

  • 「外部から内部への通信は成立しますが、内部から外部への通信のほうは、ポート転送を明示的に設定しない限り到達できません。」成立する向きが入れ替わっています。変換によって成立するのは内部から外部への向きです。
  • 「内部から外部への通信も外部から内部への通信も、ホストに変換の表が作られるため、設定を追加しなくても到達できます。」外部から内部への通信は、ポート転送を明示的に設定しない限り到達できません。
  • 「内部から外部への通信は成立し、外部から内部への通信もホストが内部へ DHCP を提供していればそのまま到達できます。」DHCP は内部ネットワークへアドレスを配る仕組みで、外部から内部への到達性を作るものではありません。

設問3

前例のない構成で、性能が要件の中心になる案件です。公開されているベンチマークの結果は入手できています。評価の進め方として、最も適切なものはどれか。

  • ベンチマークの数値をそのまま見積もりへ用い、実機テストは省いて設計を進めます。
  • 実機テストだけを候補の数だけ繰り返し、ベンチマークの結果は参照せずに進めます。
  • ベンチマークの数値へ一定の余裕を掛けた値を実測の代わりに置き、設計を進めます。
  • ベンチマークで候補を絞り、最後は本番に近い構成の実機テストで確かめます。(正解)

解説

ベンチマークは測定条件が定義された特定の処理の結果であり、自分の業務の処理特性とは一致しません。候補の絞り込みに使い、最後は実機テスト(PoC)で確かめるのが正しい順序です。「ベンチマークの数値をそのまま見積もりへ用い」は誤りです。ベンチマークが測っている処理は自分の業務とは違うため、見積もりの値としては使えません。「ベンチマークの数値へ一定の余裕を掛けた値を実測の代わりに置き」は誤りです。余裕を掛けても測っている処理が違うままであり、実測の代わりにはなりません。(根拠: 学習用テキスト 10-3 評価方法 ── PoC とベンチマーク [4.1])

他の選択肢が誤りである理由

  • 「ベンチマークの数値をそのまま見積もりへ用い、実機テストは省いて設計を進めます。」ベンチマークが測っている処理は自分の業務とは違うため、見積もりの値としては使えません。
  • 「実機テストだけを候補の数だけ繰り返し、ベンチマークの結果は参照せずに進めます。」候補の数だけ実機テストを行うと、機材と期間の負担が見合いません。
  • 「ベンチマークの数値へ一定の余裕を掛けた値を実測の代わりに置き、設計を進めます。」余裕を掛けても測っている処理が違うままであり、実測の代わりにはなりません。

設問4

DNS ベースの広域負荷分散を監視ツールと組み合わせて運用する設計について、適切なものを2つ選べ。

  • 拠点ごとの処理能力に差がある場合は、重み付きラウンドロビンで比率を変えて配分します。(正解)
  • 切り替えの速さを求める場合は、平常時から TTL を短く設定しておきます。(正解)
  • 切り替えの速さを求める場合は、異常を検知した時点で TTL の値を短く変更しておきます。
  • 監視ツールと組み合わせた構成では、確立済みの接続も含めて即座に切り替わります。
  • 接続後の負荷まで DNS が把握するため、拠点ごとの実負荷に応じて応答が決まります。

解説

重み付きラウンドロビンは設定した比率で応答を配分するため、拠点ごとの処理能力の差や段階的な移行に使えます。監視ツールで異常な拠点を応答から外す構成でも、キャッシュが切れるまでは古いアドレスへ接続が続くため、切り替えの速さを求めるなら平常時から TTL を短くしておきます。(根拠: 学習用テキスト 8-5 DNS ベースの負荷分散(広域負荷分散) [3.2])

他の選択肢が誤りである理由

  • 「切り替えの速さを求める場合は、異常を検知した時点で TTL の値を短く変更しておきます。」検知後に短くしても、既に配られたキャッシュには効きません。
  • 「監視ツールと組み合わせた構成では、確立済みの接続も含めて即座に切り替わります。」クライアントやリゾルバのキャッシュが残る間は、古いアドレスへの接続が続きます。
  • 「接続後の負荷まで DNS が把握するため、拠点ごとの実負荷に応じて応答が決まります。」DNS はどのアドレスを返したかしか知らず、接続後の負荷は把握できません。

設問5

障害から復旧した後に取りこぼした分を再処理したく、あわせて新しく作る集計サービスにも同じイベント列を最初から流したい。最も適切な形はどれか。

  • トピックを採用したうえで、購読者全員へ配り終えたメッセージを保持期間の間だけ残す。
  • キューを採用したうえで、取り出したメッセージを削除せずに残すという設定へ切り替える。
  • キューを採用したうえで、ワーカーの数を増やして再処理にかかる所要時間を短縮する。
  • ストリームを採用し、読み手ごとのオフセットによって過去へ戻って読み直せるようにする。(正解)

解説

ストリームは順序を保った記録の連なりで、読み手ごとにどこまで読んだかを示すオフセットを持ち、保持期間の間は過去へ戻って何度でも読み直せます。障害からの復旧後に取りこぼした分を再処理したい、新しく作った集計サービスにも同じイベント列を最初から流したい、という要件はストリーム向きです。キューは取り出すと消え、トピックは配り終えると消えるため、いずれも読み直しの要件を満たせません。「キューを採用したうえで、ワーカーの数を増やして再処理にかかる所要時間を短縮する」は誤りです。ワーカーを増やしても分担が進むだけで、取りこぼした分を読み直す手段にはなりません。(根拠: 学習用テキスト 2-3 非同期通信 ── キュー・ストリーム・トピック [1.2])

他の選択肢が誤りである理由

  • 「トピックを採用したうえで、購読者全員へ配り終えたメッセージを保持期間の間だけ残す。」トピックは配り終えたメッセージが消えるため、後から加わった読み手が最初から読むことはできません。
  • 「キューを採用したうえで、取り出したメッセージを削除せずに残すという設定へ切り替える。」キューは取り出したメッセージが消える配送モデルで、読み直しを前提にした形ではありません。
  • 「キューを採用したうえで、ワーカーの数を増やして再処理にかかる所要時間を短縮する。」ワーカーを増やしても分担が進むだけで、取りこぼした分を読み直す手段にはなりません。

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