難易度は Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関) の5段階です。
G検定のサンプル問題(本番形式・解説付き)
G検定(日本ディープラーニング協会(JDLA)・JDLA Deep Learning for GENERAL)の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録で解ける模試 第1回(145問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全1,160問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
SNS上で自動プログラム(ボット)を大量に用い、特定の意見を実際より多く見せかける行為が民主的な議論に与える影響として、最も適切なものはどれか。
- 技術的に実現できない手法であり、実際の被害が確認された例は報告されていない。
- ボットの投稿は自動生成である旨が画面に表示されるため、影響は生じないとされる。
- 実際の世論とは異なる印象を作り出し、人々の意見の形成をゆがめるおそれがある。(正解)
- 投稿の内容は虚偽に限られるため、事実確認の体制だけで無害化できるとされている。
解説
ボットを大量に用いた投稿は、実際の世論の分布とは異なる印象を作り出し、特定の意見が多数派であるかのように見せかけて人々の意見形成をゆがめるおそれがある。
他の選択肢が誤りである理由
- 「技術的に実現できない手法であり、実際の被害が確認された例は報告されていない。」誤りです。ボットを用いた投稿の増幅は実際に確認されている手法です。
- 「ボットの投稿は自動生成である旨が画面に表示されるため、影響は生じないとされる。」誤りです。人間の投稿と見分けがつきにくい点が、この問題の難しさにあたります。
- 「投稿の内容は虚偽に限られるため、事実確認の体制だけで無害化できるとされている。」誤りです。投稿の内容が事実であっても、量を偽ることで印象は操作されえます。
設問2
通信販売会社が、注文データの入力作業を外部の事業者へ委託することにした。委託先には顧客の氏名・住所を含むデータを渡す。個人情報保護法上、委託元に求められる対応として最も適切なものはどれか。
- 委託先が独立した事業者であることから、データを渡した後の安全管理についての責任は委託先だけが負うものである
- 渡すデータをあらかじめ匿名加工情報へ加工しなければ、外部の事業者へ入力作業を委託することはできない
- 漏えい等を防ぐ安全管理措置を講じたうえで、委託先に対する必要かつ適切な監督を行う(正解)
- 委託にあたっては第三者提供に該当するため、対象となる顧客から個別に同意を取得する手続を経ることが求められている
解説
事業者は、漏えい等を防ぐ安全管理措置を講じるとともに、委託先も監督することが求められる。委託した後も委託元の監督義務は残るため、委託先だけが責任を負うという整理は誤りである。委託にあたって匿名加工情報への加工が条件とされているわけでもない。第三者提供の制限は原則として本人の同意を要するが、委託はその例外として位置づけられており、個別の同意取得を前提とする説明は当てはまらない。
設問3
強化学習における行動選択の方策である「ε-greedy方策」に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 方策そのものをニューラルネットワークで直接パラメータ化し、収益の勾配方向へ更新していく方策
- 確率1-εで価値推定が最も高い行動を選び、確率εでランダムな行動を選んで探索を行う方策(正解)
- 状態遷移確率と報酬関数が既知であることを前提として、動的計画法で最適方策を厳密に求める方策
- 現時点で価値が最も高いと推定される行動を毎回選び、ランダムな行動選択は行わない方策
解説
ε-greedy方策は、確率1-εで現時点で価値が最も高いと推定される行動(グリーディな行動)を選び、確率εでランダムな行動を選択することで、既知の高価値行動を活用しつつ未知の行動を探索する、単純だが広く使われる行動選択の方策である。
他の選択肢が誤りである理由
- 「方策そのものをニューラルネットワークで直接パラメータ化し、収益の勾配方向へ更新していく方策」誤りです。方策を直接パラメータ化して勾配で更新するのは方策勾配法の説明であり、ε-greedy方策は価値推定に基づく行動選択のルールです。
- 「状態遷移確率と報酬関数が既知であることを前提として、動的計画法で最適方策を厳密に求める方策」誤りです。状態遷移確率と報酬関数が既知であることを前提とする動的計画法は、モデルベースの価値反復法・方策反復法の説明です。
- 「現時点で価値が最も高いと推定される行動を毎回選び、ランダムな行動選択は行わない方策」誤りです。価値が最も高い行動を毎回選ぶのは純粋なグリーディ方策であり、探索を行わないためε-greedy方策とは異なります。
設問4
AIを業務へ導入する際に、既存の業務プロセスそのものの見直しが必要になる理由として、最も適切なものはどれか。
- 既存の手順を残したままにすると、学習データの収集が制度上できなくなってしまうため
- 業務の手順を変えずに保つほど、モデルの予測精度そのものが高まると知られているため
- AIを導入すると、担当者が判断を行う場面は業務から失われていくと考えられているため
- 予測結果を誰がどう受け取り、次の行動へつなげるかを決めないと成果が出にくいため(正解)
解説
AIの予測は、それ単体では業務上の成果を生まない。予測結果を誰がどの場面で受け取り、どのような行動につなげるのかという業務の流れまで設計し直して初めて効果が現れるため、AIの導入は既存の業務プロセスの見直しを伴うことが多い。既存の手順を残すことが、制度上データ収集を妨げるわけではない。業務の手順を保つことと、モデルの予測精度の高さは結び付かない。
他の選択肢が誤りである理由
- 「既存の手順を残したままにすると、学習データの収集が制度上できなくなってしまうため」誤りです。既存の手順を残すことが、制度上データ収集を妨げるわけではありません。
- 「業務の手順を変えずに保つほど、モデルの予測精度そのものが高まると知られているため」誤りです。業務の手順を保つことと、モデルの予測精度の高さは結び付きません。
- 「AIを導入すると、担当者が判断を行う場面は業務から失われていくと考えられているため」誤りです。人が判断する場面は残り、AIはその判断を支える位置づけになることが多くあります。
設問5
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の源流とされる「ネオコグニトロン」と「LeNet」に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ネオコグニトロンとLeNetはいずれもエキスパートシステムの一種であり、ルールベースの推論によって画像を分類する
- ネオコグニトロンは福島邦彦によって提案された、視覚野の構造を参考にした階層的なパターン認識モデルであり、LeNetはヤン・ルカンらによって開発された手書き数字認識などに用いられた初期の畳み込みニューラルネットワークである(正解)
- ネオコグニトロンはIBMが開発したクイズ番組向けの質問応答システムであり、LeNetは囲碁のプロ棋士に勝利したシステムである
- ネオコグニトロンとLeNetはいずれも2012年のILSVRCで初めて発表された、Transformerの自己注意機構を用いて大量のテキストデータから文章生成や対話を行う、近年注目を集めている大規模言語モデル(LLM)の一種に位置づけられる。
解説
ネオコグニトロンは福島邦彦氏が提案した視覚野を参考にした階層的パターン認識モデル、LeNetはヤン・ルカン氏らが開発した初期の畳み込みニューラルネットワークで、いずれも現在のCNNの源流とされます。ネオコグニトロンとLeNetはニューラルネットワークに基づく手法であり、ルールベースの推論を行うエキスパートシステムとは仕組みが異なります。クイズ番組向けの質問応答システムはワトソンの説明であり、囲碁のプロ棋士に勝利したのはアルファ碁であって、いずれもネオコグニトロン・LeNetとは異なります。ネオコグニトロン(1980年代)もLeNet(1990年代)もTransformer登場以前の画像認識のモデルであり、2012年のILSVRCで発表された大規模言語モデルではありません。
他の選択肢が誤りである理由
- 「ネオコグニトロンとLeNetはいずれもエキスパートシステムの一種であり、ルールベースの推論によって画像を分類する」誤りです。ネオコグニトロンとLeNetはニューラルネットワークに基づく手法であり、ルールベースの推論を行うエキスパートシステムとは仕組みが異なります。
- 「ネオコグニトロンはIBMが開発したクイズ番組向けの質問応答システムであり、LeNetは囲碁のプロ棋士に勝利したシステムである」誤りです。クイズ番組向けの質問応答システムはワトソンの説明であり、囲碁のプロ棋士に勝利したのはアルファ碁であって、いずれもネオコグニトロン・LeNetとは異なります。
- 「ネオコグニトロンとLeNetはいずれも2012年のILSVRCで初めて発表された、Transformerの自己注意機構を用いて大量のテキストデータから文章生成や対話を行う、近年注目を集めている大規模言語モデル(LLM)の一種に位置づけられる。」誤りです。ネオコグニトロン(1980年代)もLeNet(1990年代)もTransformer登場以前に発表されており、大規模言語モデルでもありません。
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