結論:SCで最初に理解すべきは「3区分をどの順に越えるか」
情報処理安全確保支援士試験(SC)は、IPAが実施する「高度情報処理技術者試験」の一区分(レベル4)で、情報システムのセキュリティ対策の計画・設計・構築・運用を支援する専門家に必要な高度な知識と技能を問う国家資格です。
この試験は科目A-1・科目A-2・科目Bの3区分構成で、すべてで基準点に達しなければ合格になりません。しかも多段階選抜方式が採られており、ある区分が基準点に届かないと、それより後の区分は採点すらされません。記述式の科目Bにどれだけ自信があっても、科目A-1で止まれば答案は開かれない、ということです。
ネットワークスペシャリスト(NW)やデータベーススペシャリスト(DB)が記述式を「科目B-1・科目B-2」の2区分に分けているのに対し、SCは記述式が「科目B」1区分にまとまっている点が構成上の違いです。学習計画を立てるときは、知識を増やす前に、まずこの関門の並び方を頭に入れてください。
情報処理安全確保支援士の問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | 情報処理安全確保支援士試験(SC) |
| 運営 | 経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構(IPA) |
| 試験区分 | 高度情報処理技術者試験の一区分(レベル4) |
| 科目A-1 | 多肢選択式・30問・50分 |
| 科目A-2 | 多肢選択式(専門知識)・25問・40分 |
| 科目B | 記述式・4問中2問を選択・150分 |
| 合格ライン | 3区分すべてで100点満点中60点以上(素点方式・多段階選抜方式) |
| 受験料 | 7,500円(非課税) ※2026年8月時点 |
| 実施方式 | 2026年度からCBT方式に移行。前期(2026年10月〜11月)・後期(2027年2月〜3月)の年2回 |
2026年度(令和8年度)から実施方式が紙の試験からCBT方式に変わり、区分の呼称も「午前I/II」→「科目A-1/A-2」、「午後」→「科目B」に変更されます。IPAの公式発表によれば、出題形式・出題数・試験時間・採点方式・合格基準そのものは変更されません。呼び名と受け方が変わるだけ、と捉えて構いません。
秋(前期)に受けるなら、日程はどこまで決まっているか
SCは、NW(前期のみ)・DB(後期のみ)と異なり、2026年度は前期・後期の両方で実施される予定です。前期は2026年10月〜11月、後期は2027年2月〜3月に予定されています。高度試験の中で年2回の機会がある区分は貴重で、「秋にまず一度当て、届かなければ冬にもう一度」という組み方ができます。
ただし、ここから先は慎重に扱ってください。申込期間・受験可能日・会場の空き枠といった細かい日程は、IPA公式サイトで必ず確認する必要があります。CBT方式では自分で会場と時間枠を予約する形になるため、埋まり具合によって希望日が取れないこともあります。本記事では公式情報として確認できている「前期=2026年10月〜11月/後期=2027年2月〜3月」という枠組みまでを扱い、それより細かい日付は公式発表に委ねます。
受験料は7,500円(非課税・2026年8月時点)です。受験料・試験仕様は改定されることがあるため、申し込みの前に必ずIPA公式サイトで最新情報をご確認ください。
科目A-1の免除が使えるかを最初に確認する
学習量を大きく左右するのが、科目A-1(旧・午前I)の免除制度です。次のいずれかを満たすと、それから2年間、受験申込み時の申請により科目A-1試験が免除されます。
- 応用情報技術者試験(AP)に合格する
- いずれかの高度試験・情報処理安全確保支援士試験に合格する
- 高度試験・支援士試験の科目A-1試験で基準点以上の成績をとる
免除が使えるなら、関門は科目A-2と科目Bの2つに減ります。逆に免除がない状態では、広い範囲の共通知識を問う科目A-1が最初の関門になるため、そこにも時間を割く前提で計画を組む必要があります。まだ免除の条件を満たしていない方は、応用情報技術者試験(AP)の問題演習から土台を作り、その合格を免除の起点にする進め方も選択肢になります。
出題範囲の構造
科目A-2(専門知識)の試験時間は40分で、出題は25問です。1問あたりの持ち時間は2分弱ですから、迷って戻る余裕はほとんどありません。知識を「思い出す」ではなく「即座に判別できる」状態まで持っていくのが目標になります。
出題範囲の大分類は次の4つです。
- 攻撃手法・脅威分析、認証・アクセス管理技術(専門領域で最頻出の2分野)
- 暗号技術・暗号プロトコル、PKI・デジタル証明書、セキュリティ運用製品・技術
- セキュリティ組織・標準フレームワーク、セキュリティ制度・ガイドライン・法規、脆弱性管理・インシデント対応・フォレンジック、メールセキュリティ、AIセキュリティ
- 共通知識分野(ネットワーク基礎・開発技術/プロジェクトマネジメント・データベース・ITサービスマネジメント・システム監査・内部統制・法務/知財)
なお、IPAはベンダー資格と違って分野別の出題比率(%)を公表していません。「どの分野が何%出る」といった数字を見かけたら、公式の数値ではないという前提で扱ってください。
学習の進め方と時間の目安
各種解説サイトでは、未経験・初心者で300〜400時間、基本情報技術者試験の合格レベルで200〜300時間、応用情報技術者試験の合格レベルで100〜200時間、セキュリティ実務経験がある方で50〜100時間程度が目安として紹介されることが多い試験です。公式の基準ではないため、あくまで目安として扱ってください。
進め方は、関門の並び順どおりに積むのが素直です。
- 免除の有無を確定させる(免除があるなら科目A-2から始める)
- 科目A-2の専門知識を一問一答で固める(攻撃手法・認証・暗号の3本柱から)
- 事例を読んで判断する型に慣れる(長文の事例+設問で、知識を状況に当てる練習)
- 科目B(記述式)を自分の手で書く(例題・解答例を見るだけで終わらせない)
特に4は落としやすい工程です。科目Bは事例文を読み解いて対策・手順を文章で答える形式のため、選択肢を選べる状態と、書ける状態のあいだには差があります。仕上げの段階では、必ず一度は自分で解答を書き起こしてください。
当サイトでは、科目A-2相当の一問一答から科目B対策の事例演習までを一続きで扱う情報処理安全確保支援士(SC)の問題集を用意しています。手を動かす教材として、上記の2〜3の段で並走させる使い方を想定しています。
よくある質問
Q. 前提資格は必要ですか?
前提資格はなく、応用情報技術者試験(AP)の合格者に限らず受験できます。ただしIPA公式には、応用情報技術者試験(レベル3)相当の基礎知識と、情報セキュリティ対策の実務経験3年以上が望ましい水準として案内されています。未経験から挑む場合は、その差を学習時間で埋める前提で計画を立ててください。
Q. 合格ラインは何点ですか?
科目A-1・科目A-2・科目Bのすべてで、100点満点中60点以上(素点方式)です。いずれか一つでも基準に届かないと、それ以降の区分は採点されず不合格となります。
Q. 2026年度からのCBT移行で、難易度は変わりますか?
IPAの公式発表によれば、出題形式・出題数・試験時間・採点方式・合格基準はいずれも変更されません。変わるのは実施方式(紙からCBTへ)と区分の呼称です。
Q. 2027年度からの制度変更は影響しますか?
IPAは2027年度からの新試験制度への移行を予定していると公表しており、情報処理安全確保支援士試験は新制度でも継続予定とされています。新制度版のシラバスは2026年8月時点で準備中です。2026年度(前期・後期)の受験は現行仕様のままですが、2027年度以降に受験する場合は試験時間や出題数などの仕様が変わる可能性があるため、IPA公式サイトの最新発表をご確認ください。
Q. 受験料はいくらですか?
7,500円(非課税)です(2026年8月時点)。受験料・試験仕様は改定されることがあるため、申し込みの前に必ずIPA公式サイトで最新情報をご確認ください。