難易度は Level 1(やさしめ)〜Level 5(難関) の5段階です。
統計検定2級のサンプル問題(本番形式・解説付き)
統計検定2級(統計質保証推進協会・統計検定2級(公式出題範囲表 202409版 準拠))の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録で解ける模試 第1回(35問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全420問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
母分散が未知の正規母集団から n = 16 を抽出し、標本平均 52、s = 8 を得た。H0: μ = 50、H1: μ ≠ 50、有意水準 5% として t 分布表を用いる。判定として最も適切なものはどれか。
- t = 1.00 で境界を上回るので、棄却する
- t = 2.00 で境界を下回るので、棄却しない
- t = 1.00 で境界を下回るので、棄却しない(正解)
- t = 4.00 で境界を上回るので、棄却する
- t = 0.25 で境界を下回るので、棄却しない
解説
標準誤差は 8 / 4 = 2 なので t = (52 − 50) / 2 = 1.00、自由度 15 の境界 2.131 を下回るので棄却しない。同じ標本から作った信頼区間 (47.738, 56.262) が 50 を含むことと整合する。t = 0.25 は標準誤差でなく s = 8 で割った値である。t = 2.00 は差 2 を標準誤差で割り忘れた値、t = 4.00 は s を √16 でなく 16 で割った 0.5 を標準誤差とした値で、どちらも計算が合わない。t = 1.00 で境界を上回るとする肢は、2.131 との比較を誤っている。
設問2
ある地域の年収データに、極端に高い値がいくつか含まれていた。分布の中心を代表させる指標の選び方として適切なものはどれか。
- 情報を最も多く使う平均値を使い、外れ値もそのまま含めて計算する
- 最頻値を使い、最も多く現れた年収の値で分布全体を代表させる
- 外れ値の影響を受けない中央値を使う(正解)
- 最大値と最小値の平均を使い、分布の両端の中間で代表させる
解説
極端な値があるときや裾が長いときは、順位だけで決まり外れ値の影響を受けない中央値が適する。平均値は情報を多く使う一方で裾に引っぱられるため、この場面では中心の実感から離れる。最頻値は質的変数の代表を言うときに使う指標で、年収のような連続的な量では値が1つに定まらないことがある。最大値と最小値の平均は両端の2つだけで決まるので、外れ値の影響を最も強く受ける。
設問3
試験の得点の度数分布表から累積度数グラフを描き、報告に使う。このグラフの性質の説明として適切な記述はどれか。
- 度数の大きい階級で下がり、小さい階級で上がる
- 階級ごとの度数をそのまま高さにした折れ線になる
- 山の位置が読めるので、峰の数を数えるのに向く
- 単調に増加し、右端で全体の度数に到達する(正解)
解説
累積度数グラフは階級の上限までに入った個数を積み上げた図なので単調に増加し、右端で全体の度数(相対度数なら1.0)に到達する。途中で下がることはないので、度数の大きい階級で下がるとする肢は累積の意味と合わない。階級ごとの度数をそのまま高さにするのはヒストグラムの側で、累積にしていない。峰の数を数えるのはヒストグラムの形を見る話で、累積度数グラフは中央値や「◯点以下の割合」を読むのに向く。
設問4
n = 6 の単回帰で SSR = 25.2、Ve = 0.7 を得た。モデル全体のF比と、t = 6.0 との関係の組み合わせはどれか。
- F比 36.0 で、t の 2 倍に等しい
- F比 36.0 で、t の 2 乗に等しい(正解)
- F比 6.0 で、t に等しい
- F比 18.0 で、t の 3 倍に等しい
- F比 36.0 で、t の平方根に等しい
解説
F = SSR / Ve = 25.2 / 0.7 = 36.0 で、自由度は (1, 4) である。単回帰に特有の関係として t の 2 乗が F になり、6.0^2 = 36.0 で一致する。この関係は検算に使える。t の平方根とする組み合わせも、2 乗の関係を取り違えている。F比 18.0 は Ve を 2 倍の 1.4 として割った値で、t の 3 倍という関係も単回帰には無い。t の 2 倍、t に等しいとする組み合わせも、2 乗の関係を取り違えている。
設問5
3つの変数の相関行列が次のとおりだった。 | | 身長 | 体重 | 握力 | |---|---|---|---| | 身長 | 1.00 | 0.82 | 0.65 | | 体重 | 0.82 | 1.00 | 0.71 | | 握力 | 0.65 | 0.71 | 1.00 | この表の対角成分がすべて1.00である理由として適切なものはどれか。
- 3つの変数がたがいに強い相関を持っているから
- 相関係数の上限が1.00と決まっているから
- 変数を標準化してから計算しているから
- 自分自身との相関を表しているから(正解)
解説
相関行列の対角成分は変数と自分自身との相関なので1.00になり、これは表の作り方から決まる。対角線をはさんで対称になるのも同じ理由による。3つの変数がたがいに強い相関を持つことは対角成分の値と関係がない。上限が1.00であることは対角成分が1.00になる理由にはならず、標準化の有無にもよらない。
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