DP-900(Azure Data Fundamentals)に合格すると、次の目標として「DP-203(データエンジニアリング)」や「DP-100(データサイエンス)」を思い浮かべる方が多いはずです。データベースの入門知識を得たあと、実装寄りの資格でスキルを裏付けたい、という流れは自然です。
ただし、この記事を書いている時点で確認する限り、DP-203とDP-100はどちらもすでに廃止されており、新規に受験することはできません。まずこの前提を整理してから、実際にどちらへ進むべきかを見ていきます。
DP-203とDP-100は、実はすでに廃止されている
DP-203(Data Engineering on Microsoft Azure)は2025年3月31日に廃止
DP-203は、Azure Synapse AnalyticsやAzure Data Factoryを中心にデータ基盤の設計・実装を問うアソシエイト試験でした。Microsoftはこの試験を2025年3月31日をもって廃止し、以降は新規受験も更新もできなくなっています。
後継として案内されているのは「DP-700(Fabric Data Engineer Associate)」です。DP-203がSynapseを中心にしていたのに対し、DP-700はMicrosoft Fabric(OneLake・Lakehouse・データパイプラインなど)を中心とした出題に置き換わっています。
DP-100(Designing and Implementing a Data Science Solution)は2026年6月1日に廃止
DP-100は、Azure Machine Learningを使ったモデルの学習・デプロイを問うアソシエイト試験でした。こちらは2026年6月1日をもって廃止されており、すでに新規受験はできません。
後継として案内されているのは「AI-300(Machine Learning Operations(MLOps)Engineer Associate)」です。DP-100が実験・モデル学習の比重が大きかったのに対し、AI-300はMLOpsパイプライン・モデル監視・責任あるAIのガバナンスなど、本番運用のフェーズに重心が移っています。
なお、廃止前にDP-203やDP-100に合格して取得した認定自体は無効になりません。Microsoft Learnの受験履歴(トランスクリプト)にも残ります。無効になるのは「これから新規に受験する」道だけです。
DP-900の問題演習はこちら →(まず50問は、会員登録もログインもなしで解けます)
データエンジニアを目指すなら「DP-700」
DP-900で学んだリレーショナル/非リレーショナルデータの区別、分析ワークロードの基礎は、DP-700でもそのまま土台になります。DP-700で扱われる主な範囲は次のとおりです。
- データの取り込みと変換(Fabricのパイプライン・Dataflow)
- 分析ソリューションのセキュリティ管理
- 分析ソリューションの監視と最適化
DP-203時代のSynapse知識をすでに持っている方は、Lakehouseやパイプラインの操作画面が変わった程度と捉えて差し支えありません。一方、これから初めて学ぶ方は、DP-900で押さえた「OLTPかOLAPか」「構造化・非構造化データの違い」という2軸を、Fabricのサービス名に当てはめ直す作業から始めると理解が早いです。
データサイエンティストを目指すなら「AI-300」
AI-300は、Azure Machine LearningやAzure AI Foundryを使って、機械学習・生成AIソリューションを本番環境で運用する力を問う試験です。DP-100が「モデルを作る」比重が大きかったのに対し、AI-300は「作ったモデルを安定して動かし続ける」比重が増えています。
- MLOpsパイプラインの構築(CI/CD・自動再学習)
- モデルの監視とドリフト検知
- 責任あるAIのガバナンスと推論エンドポイントのスケーリング
DP-900で学んだ分析ワークロードの基礎知識があると、Azure Machine Learningのワークスペースやデータアセットの概念には入りやすくなります。ただしAI-300は運用寄りの実務知識が前提になるため、Pythonでのモデル開発やAzureの操作経験がまったくない場合は、AI-900(Azure AI Fundamentals)やAI-102系の後継試験を先に押さえておくほうが無理がありません。
どちらを選ぶか、判断基準
- データ基盤の構築・パイプライン設計に関わりたい、または関わっている → DP-700
- 機械学習モデルの学習・運用・監視に関わりたい、または関わっている → AI-300
- 実務がまだ決まっていない → まずDP-900の範囲を仕事で使ってみて、データ基盤側とモデル側のどちらに興味が向くかを見てから決める
DP-203・DP-100という試験名そのものへの思い入れがある場合でも、実務で評価されるのは「今受けられる、今の技術に対応した資格」です。廃止された試験名を目標に据え続けると、対策教材も古い出題形式を扱っている可能性が高くなるため注意してください。
DP-900の土台を固めてから進む
DP-700もAI-300も、DP-900より出題範囲が広く、実装寄りの知識を問われます。いきなり後継試験の対策に入るより、DP-900の範囲に抜けがない状態を作ってから進むほうが遠回りになりません。
当サイト「資格道場」ではDP-900の問題演習を提供しています。模試形式で本番に近い形式に慣れられるので、後継試験に進む前の総仕上げとしてご活用ください。
なお、DP-700・AI-300の問題集は本記事時点では未提供です。今後の対応状況は当サイトの資格一覧でご確認ください。
よくある質問
Q. DP-203やDP-100の対策で使っていた教材はもう無駄になりますか?
試験自体は廃止されていますが、Synapse Analyticsの基本概念やAzure Machine Learningの実験管理といった土台知識は現場で今も使われています。ただし資格取得が目的の場合は、後継試験のDP-700・AI-300それぞれの最新の出題範囲に沿って学び直す必要があります。
Q. すでにDP-203やDP-100に合格しています。資格は取り消されますか?
いいえ、廃止前に取得した認定は無効になりません。Microsoft Learnのトランスクリプトにも履歴として残ります。無効になるのは「これから新規に受験する」ルートのみで、更新のタイミングでは後継試験を受け直す形になります。
Q. DP-700やAI-300の受験料・試験時間はいくらですか?
当サイトではDP-700・AI-300の受験料や試験時間を公式情報で確認できていないため、具体的な数値はここでは記載しません。申し込み前に必ずMicrosoft公式の認定ページで最新情報を確認してください。
Q. DP-900の認定に有効期限はありますか?
DP-900はFundamentals(基礎)系の認定のため有効期限がなく、更新の必要もありません。DP-700・AI-300のようなアソシエイト級の認定は更新が必要になるため、資格の位置づけが異なる点は覚えておくと良いです。
Q. 資格道場でDP-700やAI-300の問題集は買えますか?
現時点では未対応です。現在ご用意しているのはDP-900の問題集のみで、DP-700・AI-300への対応は今後の検討事項としています。取り扱い状況は当サイトの資格一覧ページでご確認ください。