ITIL 4 Foundationのサンプル問題(本番形式・解説付き)
ITIL 4 Foundation(PeopleCert・ITIL 4 Foundation)の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録ですぐ解ける模試 第1回(40問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全389問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
ITIL 4 におけるサービスマネジメントの定義として最も適切なものはどれか。
- 顧客に価値をもたらすサービスを実現するための、組織の専門的な能力(ケイパビリティ)の集合(正解)
- サーバーやネットワークなどのIT資産を物理的に保守する作業の手順書
- プロジェクトを期限内・予算内で完了させるための管理手法
- ソフトウェアの不具合を検出して修正するための品質保証活動
解説
ITIL 4 はサービスマネジメントを「顧客に価値をもたらすサービスを実現するための、専門的な組織のケイパビリティの集合」と定義します。特定の保守作業やプロジェクト管理、品質保証だけを指すものではありません。
他の選択肢が誤りである理由
- 「サーバーやネットワークなどのIT資産を物理的に保守する作業の手順書」物理的な保守作業の手順書はIT資産管理・運用管理の一部であり、顧客への価値実現を担う組織能力全体を指すサービスマネジメントの定義ではありません。
- 「プロジェクトを期限内・予算内で完了させるための管理手法」プロジェクト管理はサービスマネジメントとは別分野の手法であり、期限内完了を目的とするものはケイパビリティの定義には当たりません。
- 「ソフトウェアの不具合を検出して修正するための品質保証活動」品質保証活動はサービスマネジメントの一要素に過ぎず、顧客への価値創出を実現する組織全体のケイパビリティを定義するものではありません。
設問2
ITIL 4 では「価値」はどのように生み出されると説明されているか。最も適切なものはどれか。
- サービスプロバイダが単独で生産し、顧客に引き渡す
- サービスプロバイダと消費者の協働によって共創(co-create)される(正解)
- 顧客(消費者)が自分のリソースだけで生み出す
- 規制当局が定めた基準を満たした時点で自動的に確定する
解説
ITIL 4 の中心的な考え方は「価値の共創(co-creation)」です。価値は提供者が一方的に届けるものではなく、提供者と消費者が協働する関係の中で生み出されます。
他の選択肢が誤りである理由
- 「サービスプロバイダが単独で生産し、顧客に引き渡す」ITIL 4では価値はプロバイダが一方的に生産して引き渡すものではなく、提供者と消費者が協働して共創するものとされています。
- 「顧客(消費者)が自分のリソースだけで生み出す」消費者のリソースだけでは価値は生まれず、サービスプロバイダとの協働関係があって初めて価値が実現されるとされています。
- 「規制当局が定めた基準を満たした時点で自動的に確定する」価値は規制当局の基準への適合で自動確定するものではなく、提供者と消費者の継続的な相互作用の中で生み出されます。
設問3
サービス関係において、消費者側が担いうる役割として ITIL 4 が挙げているものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- サプライヤ・パートナ・ベンダー
- プロセスオーナー・サービスオーナー・プロダクトオーナー
- 顧客・ユーザー・スポンサー(正解)
- 監査人・規制当局・株主
解説
消費者側の役割は、要件を定義し成果に責任を持つ「顧客」、サービスを実際に使う「ユーザー」、予算を承認する「スポンサー」です。サプライヤやパートナは提供側の関係者です。
他の選択肢が誤りである理由
- 「サプライヤ・パートナ・ベンダー」サプライヤ・パートナ・ベンダーはサービス提供側(プロバイダ側)の関係者であり、ITIL 4が定める消費者側の役割ではありません。
- 「プロセスオーナー・サービスオーナー・プロダクトオーナー」プロセスオーナー・サービスオーナー・プロダクトオーナーは組織内の役割区分であり、ITIL 4が定義する消費者側の3役割(顧客・ユーザー・スポンサー)とは異なります。
- 「監査人・規制当局・株主」監査人・規制当局・株主はガバナンスや外部規制の文脈で登場する関係者であり、ITIL 4のサービス消費者側の役割分類には含まれません。
設問4
ITIL 4 における「アウトカム(outcome)」の説明として最も適切なものはどれか。
- アクティビティによって生み出される具体的・有形の成果物
- サービスを利用するために消費者が負担する金額
- サービスに起因して発生しうる不確実な事象
- 1つ以上のアウトプットによって実現される、利害関係者にとっての結果(正解)
解説
アウトカムは「アウトプットによって実現される、利害関係者にとっての結果」です。アクティビティが直接生む成果物はアウトプット、負担額はコスト、不確実な事象はリスクであり、区別が問われます。
他の選択肢が誤りである理由
- 「アクティビティによって生み出される具体的・有形の成果物」有形の成果物はアウトプット(output)の説明です。アウトカムはアウトプットを通じて実現される「利害関係者にとっての結果」であり、成果物そのものではありません。
- 「サービスを利用するために消費者が負担する金額」消費者が負担する金額はコスト(cost)の説明です。アウトカムはコストとは別概念です。
- 「サービスに起因して発生しうる不確実な事象」不確実な事象はリスク(risk)の説明です。アウトカムはリスクではなく、1つ以上のアウトプットによって実現される結果を指します。
設問5
「ノートPCそのもの」がアウトプット、「いつでも社内文書を作成・共有できる状態」がアウトカムだとすると、両者の関係として最も適切なものはどれか。
- アウトカムを実現するためにアウトプットが用いられる(正解)
- アウトプットとアウトカムは同じものを別の言葉で言い換えただけである
- アウトプットはアウトカムが達成された後に初めて生成される
- アウトカムは有形物、アウトプットは無形の結果である
解説
アウトプット(成果物)はアウトカム(利害関係者にとっての結果)を実現するために用いられます。両者は別概念で、有形・無形の対応も逆です(アウトプットが有形、アウトカムが結果)。
他の選択肢が誤りである理由
- 「アウトプットとアウトカムは同じものを別の言葉で言い換えただけである」アウトプットとアウトカムは別概念です。アウトプットは成果物、アウトカムはその成果物によって実現される結果であり、単なる言い換えではありません。
- 「アウトプットはアウトカムが達成された後に初めて生成される」順序が逆です。アウトプット(例:ノートPC)が先に生成され、それを使ってアウトカム(例:文書作成できる状態)が実現されます。
- 「アウトカムは有形物、アウトプットは無形の結果である」有形・無形の対応が逆です。アウトプットが有形の成果物(例:ノートPC)、アウトカムが無形の結果(例:業務できる状態)です。
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