ネットワークスペシャリスト試験のサンプル問題(本番形式・解説付き)
ネットワークスペシャリスト試験(経済産業省(IPA)・ネットワークスペシャリスト試験(NW))の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録ですぐ解ける模試 第1回(85問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全340問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
OSI参照モデルにおいて、ルータが経路選択(ルーティング)を行う際に主に参照する層はどれか。
- 物理層(第1層)
- データリンク層(第2層)
- トランスポート層(第4層)
- ネットワーク層(第3層)(正解)
解説
ルーティングは宛先IPアドレスに基づいて行われ、これはネットワーク層(第3層)の機能です。ルータはこの層のヘッダ情報を参照して経路を選択します。
他の選択肢が誤りである理由
- 「物理層(第1層)」物理層はビット列を信号に変換して伝送する層であり、経路選択の判断は行いません。
- 「データリンク層(第2層)」データリンク層はMACアドレスによるフレームの中継(スイッチング)を扱う層で、IPアドレスによる経路選択とは異なります。
- 「トランスポート層(第4層)」トランスポート層はポート番号による通信の多重化や信頼性制御を扱う層であり、経路選択の層ではありません。
設問2
パケットフィルタリング型ファイアウォールが、通信を許可するかどうかを判定する際に参照する情報として、最も適切な組み合わせはどれか。
- アプリケーション層のペイロード内容とユーザーの入力履歴
- Webブラウザの種類とHTTPヘッダのCookie情報
- 送信元/宛先IPアドレス、送信元/宛先ポート番号、プロトコル種別などのヘッダ情報(正解)
- ファイルの拡張子とマルウェア定義ファイルとの照合結果
解説
パケットフィルタリング型ファイアウォールは、IPヘッダやTCP/UDPヘッダに含まれる送信元・宛先IPアドレス、ポート番号、プロトコル種別などの情報とルールを照合して通信の可否を判定します。アプリケーション層の内容までは解析しません。
他の選択肢が誤りである理由
- 「アプリケーション層のペイロード内容とユーザーの入力履歴」パケットフィルタリング型はネットワーク層・トランスポート層のヘッダ情報で判定するため、アプリケーション層のペイロードやユーザーの入力履歴までは解析しません。
- 「Webブラウザの種類とHTTPヘッダのCookie情報」Webブラウザの種類やCookie情報はアプリケーション層の情報であり、パケットフィルタリング型が参照するヘッダ情報には含まれません。
- 「ファイルの拡張子とマルウェア定義ファイルとの照合結果」マルウェア定義ファイルとの照合はアンチウイルス機能の役割であり、パケットフィルタリング型ファイアウォール単体の機能ではありません。
設問3
新ネットワークシステムの要求分析において、業務担当者との対話を通じて定型の質問票では拾いきれない潜在的なニーズや暗黙の前提を引き出したい。最も適した技法はどれか。
- インタビュー法によって自由形式で質問し、回答に応じて深掘りする(正解)
- 全社員に同一内容のアンケート用紙を配布し、選択式で回答を集計する
- 他社の類似システムの導入事例を収集し、比較表を作成する
- 現行システムの通信ログを機械的に集計し、統計値だけを算出する
解説
インタビュー法は対話の中で回答者の発言を深掘りできるため、定型の質問票やログ集計では拾いにくい潜在ニーズや暗黙の前提を引き出すのに適しています。
他の選択肢が誤りである理由
- 「全社員に同一内容のアンケート用紙を配布し、選択式で回答を集計する」アンケート法は多数から効率よく定型的な回答を集められますが、選択式が中心のため対話による深掘りや潜在ニーズの掘り起こしには向きません。
- 「他社の類似システムの導入事例を収集し、比較表を作成する」ベンチマーキングは他社事例との比較によって改善のヒントを得る手法であり、自組織の担当者が持つ暗黙の前提を引き出す手法ではありません。
- 「現行システムの通信ログを機械的に集計し、統計値だけを算出する」ログの機械的な集計は現状の利用実態を定量的に把握するには有効ですが、担当者が言語化していない潜在的なニーズを引き出す手法ではありません。
設問4
SNMPのバージョンに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
- SNMPv3では、ユーザーごとの認証と通信の暗号化(USM: User-based Security Model)がサポートされ、SNMPv1/v2cのコミュニティ名による平文の管理より高いセキュリティを実現できる(正解)
- SNMPv1はTCPを用いて管理情報を転送するのに対し、SNMPv2cはUDPを用いる
- SNMPv2cはSNMPv1に対してコミュニティ名を暗号化する機能が追加されたバージョンである
- SNMPのバージョンは上位互換であり、SNMPv3のエージェントは常にSNMPv1のマネージャからの要求をそのまま認証なしで受理できる
解説
SNMPv3ではUSM(User-based Security Model)によりユーザー単位の認証や通信の暗号化が可能になり、SNMPv1/v2cが平文のコミュニティ名だけで管理者を識別していた弱点を解消しています。
他の選択肢が誤りである理由
- 「SNMPv1はTCPを用いて管理情報を転送するのに対し、SNMPv2cはUDPを用いる」SNMPはバージョンによらずUDPを使用するのが一般的であり、SNMPv1がTCP、SNMPv2cがUDPという使い分けはありません。
- 「SNMPv2cはSNMPv1に対してコミュニティ名を暗号化する機能が追加されたバージョンである」SNMPv2cのコミュニティ名も平文でやり取りされ、暗号化はされません。暗号化はSNMPv3で導入されました。
- 「SNMPのバージョンは上位互換であり、SNMPv3のエージェントは常にSNMPv1のマネージャからの要求をそのまま認証なしで受理できる」SNMPv3エージェントは認証を要求する設定が可能で、認証なしのSNMPv1マネージャからの要求をそのまま無条件に受理する仕組みではありません。バージョン間の互換性は設定に依存します。
設問5
OSI参照モデルの第2層(データリンク層)が提供する機能として、最も適切なものはどれか。
- IPアドレスに基づくパケットの中継
- MACアドレスに基づくフレームの中継および誤り検出(正解)
- ポート番号に基づくアプリケーションの多重化
- ドメイン名からIPアドレスへの名前解決
解説
データリンク層はMACアドレスに基づいてフレームを中継し、FCS(フレームチェックシーケンス)による誤り検出を行います。同一セグメント内の通信を担う層です。
他の選択肢が誤りである理由
- 「IPアドレスに基づくパケットの中継」IPアドレスに基づく中継はネットワーク層(第3層)の機能であり、データリンク層の機能ではありません。
- 「ポート番号に基づくアプリケーションの多重化」ポート番号による多重化はトランスポート層(第4層)の機能です。
- 「ドメイン名からIPアドレスへの名前解決」ドメイン名の名前解決はDNSが担うアプリケーション層(第7層)の機能です。
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