データベーススペシャリスト試験のサンプル問題(本番形式・解説付き)
データベーススペシャリスト試験(経済産業省(IPA)・データベーススペシャリスト試験(DB))の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録ですぐ解ける模試 第1回(85問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全340問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
概念データモデリングにおける「エンティティ」の説明として、最も適切なものはどれか。
- エンティティが持つ個々の性質や特徴を表す項目で、E-R図では一般に楕円で表記される
- 複数の属性をひとまとめにした計算結果であり、他の属性から必ず算出できるため物理設計では保持しない
- エンティティ同士の対応関係そのものを表す概念で、E-R図では一般にひし形で表記される
- 業務上、他と区別して管理する必要がある対象(実体)を表す概念で、E-R図では一般に矩形(四角形)で表記される(正解)
解説
エンティティは、業務上管理すべき対象(人・物・出来事など)を抽象化した概念で、E-R図では矩形で表されます。属性は楕円、リレーションシップはひし形で表すのが一般的な記法です。
他の選択肢が誤りである理由
- 「エンティティが持つ個々の性質や特徴を表す項目で、E-R図では一般に楕円で表記される」これは属性の説明です。エンティティが持つ性質を表す項目であり、エンティティそのものではありません。
- 「複数の属性をひとまとめにした計算結果であり、他の属性から必ず算出できるため物理設計では保持しない」エンティティは実体を表す概念であり、他の属性から算出される導出項目とは異なります。
- 「エンティティ同士の対応関係そのものを表す概念で、E-R図では一般にひし形で表記される」これはリレーションシップ(関連)の説明です。エンティティ同士の関連付けを表す概念であり、エンティティそのものではありません。
設問2
データベースにおける「トランザクション」の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1件のSQL文だけで構成される処理単位であり、複数のSQL文をまとめることはできない
- データベースに対する一連の処理を、これ以上分割できない論理的な作業単位としてまとめたもの(正解)
- 定期的にデータベース全体をバックアップする管理者向けのバッチ処理
- 複数のユーザーが同時にログインするためのセッション管理の仕組み
解説
トランザクションは、データベースに対する一連の処理を「これ以上分割できない論理的な作業単位」としてまとめたものです。複数のSQL文から構成されることもあり、トランザクション内の処理はすべて実行されるか、すべて取り消されるかのいずれかになります。
他の選択肢が誤りである理由
- 「1件のSQL文だけで構成される処理単位であり、複数のSQL文をまとめることはできない」トランザクションは単一のSQL文に限定されず、複数のSQL文を1つの論理的な作業単位としてまとめることができます。
- 「定期的にデータベース全体をバックアップする管理者向けのバッチ処理」トランザクションはバックアップ処理ではなく、データベースへの一連の更新処理を1つの作業単位として扱う概念です。
- 「複数のユーザーが同時にログインするためのセッション管理の仕組み」トランザクションはセッション管理の仕組みではなく、データ操作の論理的な単位を指す概念です。
設問3
データベースシステムの「企画」フェーズにおける主な活動として、最も適切なものはどれか。
- 本番環境へのデプロイ手順書を作成し、運用引き継ぎを完了させる
- テーブルの正規化を行い、第三正規形までの詳細な物理データモデルを確定する
- インデックスの物理配置やストレージのI/Oチューニングパラメータを決定する
- 業務要件を分析し、対象業務で必要となるデータの範囲・利用目的・データオーナーを明確にする(正解)
解説
企画フェーズは業務要件からデータ要件を明らかにする段階であり、正規化やインデックス設計など詳細な設計・実装作業はより後工程(要件定義以降の設計工程)で行います。
他の選択肢が誤りである理由
- 「本番環境へのデプロイ手順書を作成し、運用引き継ぎを完了させる」デプロイ手順書の作成や運用引き継ぎは開発工程の後半(移行・運用引き継ぎ)の作業であり、企画フェーズの活動ではありません。
- 「テーブルの正規化を行い、第三正規形までの詳細な物理データモデルを確定する」第三正規形までの詳細な物理データモデル確定は論理設計・物理設計工程の作業であり、企画フェーズの活動ではありません。
- 「インデックスの物理配置やストレージのI/Oチューニングパラメータを決定する」インデックスの物理配置やI/Oチューニングは物理設計・実装工程の作業であり、企画段階では時期尚早です。
設問4
データ資源管理(データ資源管理)の目的として、最も適切なものはどれか。
- 特定の開発者だけがデータの意味を把握できる状態を保つこと
- データベースサーバーのハードウェア障害を未然に防止すること
- 組織全体でデータの所在・意味・品質を一元的に把握し、部門間の重複や不整合を防いで有効活用すること(正解)
- アプリケーションのソースコードのバージョン管理を行うこと
解説
データ資源管理は、データを組織にとって重要な経営資源として位置づけ、所在・意味・品質などを全社的に把握・統制することで、重複投資や部門間の不整合を防ぎ、データを有効に活用できる状態を維持することを目的とします。
他の選択肢が誤りである理由
- 「特定の開発者だけがデータの意味を把握できる状態を保つこと」特定の開発者だけが把握できればよいという属人的な状態は、データ資源管理が目指す組織横断的な共有・活用とは逆の方向性です。
- 「データベースサーバーのハードウェア障害を未然に防止すること」ハードウェア障害の防止は可用性管理や運用管理の領域であり、データ資源管理そのものの主目的ではありません。
- 「アプリケーションのソースコードのバージョン管理を行うこと」ソースコードのバージョン管理は構成管理の対象であり、データという資源そのものの管理を指すデータ資源管理とは別の管理対象です。
設問5
E-R図における「リレーションシップ(関連)」に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- リレーションシップは物理設計の段階で必ずすべて削除しなければならない概念である
- リレーションシップには、エンティティ間の対応関係の性質を表す「多重度(カーディナリティ)」を付与できる(正解)
- リレーションシップは常に1対1の対応関係しか表現できない
- リレーションシップはエンティティの属性の一種であり、独立した概念としては存在しない
解説
リレーションシップは、エンティティ間の関連づけを表す概念で、1対1・1対多・多対多といった多重度(カーディナリティ)を付与して対応関係の性質を表現します。
他の選択肢が誤りである理由
- 「リレーションシップは物理設計の段階で必ずすべて削除しなければならない概念である」リレーションシップは論理設計・物理設計を通じて、多対多の場合は連関エンティティ(中間テーブル)に変換されるなどの形で維持される概念であり、必ず削除されるわけではありません。
- 「リレーションシップは常に1対1の対応関係しか表現できない」リレーションシップは1対1だけでなく、1対多・多対多も表現できます。
- 「リレーションシップはエンティティの属性の一種であり、独立した概念としては存在しない」リレーションシップはエンティティの属性ではなく、エンティティ間の関連を表す独立した概念です。
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