AZ-305のサンプル問題(本番形式・解説付き)
AZ-305(Microsoft・Azure Solutions Architect Expert)の出題形式を、実際の問題で確かめられます。ここに掲載する5問は、無料の会員登録ですぐ解ける模試 第1回(50問)の冒頭から抜粋したオリジナル問題です。当サイトは全370問を本番CBT準拠の形式で収録しており、この5問はそのごく一部にあたります。
設問1
東京リージョン単一データセンター内の火災やラック障害に備えたいが、リージョン全体の障害までは要件に含まれず、コストも最小限に抑えたい。満たすべき最小の冗長性オプションはどれか。
- LRS
- ZRS(正解)
- GRS
- RA-GRS
解説
ZRS(ゾーン冗長ストレージ)はリージョン内の複数の可用性ゾーン(独立した電源・冷却・ネットワークを持つ物理的に離れたデータセンター)に同期で3コピーを保持するため、単一データセンター(ゾーン)の障害に耐えられます。LRSは単一データセンター内のみの冗長化のためデータセンター障害に耐えられません。
他の選択肢が誤りである理由
- 「LRS」LRSは同一データセンター内に3コピーを保持するのみで、データセンター(ゾーン)自体の障害には耐えられません。
- 「GRS」GRSはリージョン間の地理冗長までカバーしますが、要件を満たすだけならZRSで十分でありコストが余分にかかります。
- 「RA-GRS」RA-GRSはGRSに副リージョンからの読み取りアクセスを追加したものでさらにコストが高く、この要件には過剰です。
設問2
ある企業の基幹業務アプリケーションは、レガシーなCOMコンポーネントと特殊なデバイスドライバーに依存しており、OSカーネルレベルの設定変更が必須である。Azureへの移行先として最も適切なコンピューティングサービスはどれか。
- Azure App Service
- Azure Functions
- Azure Virtual Machines(正解)
- Azure Container Apps
解説
OSカーネルレベルの設定変更やデバイスドライバーへの依存がある場合、OSを完全に制御できるIaaSのVirtual Machinesが必須です。PaaSやサーバーレスはOS層の管理が事業者側にあり、カーネル設定やドライバー導入の自由度がありません。
他の選択肢が誤りである理由
- 「Azure App Service」App ServiceはPaaSでありOSの内部設定やカーネルレベルの変更はできず、事前定義されたランタイム上でアプリを実行する形態です。
- 「Azure Functions」FunctionsはサーバーレスでOS管理自体が抽象化されており、デバイスドライバーやカーネル設定への介入はできません。
- 「Azure Container Apps」Container AppsはコンテナベースのPaaSであり、コンテナの中身は制御できてもホストOSのカーネルやドライバーには介入できません。
設問3
大手小売企業が海外の競合企業を買収した。買収した企業は独自のブランドと商習慣を維持しつつ、移行期間中は完全に独立した管理境界(グローバル管理者やポリシーが親会社と混在しない状態)を保ちたい。買収直後の設計として最も適切なものはどれか。
- 買収した企業のActive Directoryドメインを親会社のドメインに移行し、単一のフォレストに統合する
- 買収した企業には管理グループのみを新設し、テナントは親会社のものを共有する
- 買収した企業のユーザーを親会社のMicrosoft Entra IDテナントに直接インポートし、既存のサブスクリプションに統合する
- 買収した企業用に新しいMicrosoft Entra IDテナントを作成し、必要な範囲だけMicrosoft Entra B2Bやクロステナント同期で連携する(正解)
解説
完全な管理境界の独立を求める場合、買収企業用に別のMicrosoft Entra IDテナントを新設するのが適切です。同一テナント内の管理グループだけでは、テナントのグローバル管理者権限がすべてに及ぶため真の独立境界にはなりません。連携が必要な範囲はB2Bゲストやクロステナント同期で個別に許可します。
他の選択肢が誤りである理由
- 「買収した企業のActive Directoryドメインを親会社のドメインに移行し、単一のフォレストに統合する」ドメイン移行によるフォレスト統合はテナント統合よりもさらに踏み込んだ統合であり、独立した管理境界を維持するという要件と正反対の方向性です。
- 「買収した企業には管理グループのみを新設し、テナントは親会社のものを共有する」管理グループは同一テナント内の階層整理の仕組みであり、テナントを分けない限りグローバル管理者の権限は買収企業側にも及ぶため完全な独立境界にはなりません。
- 「買収した企業のユーザーを親会社のMicrosoft Entra IDテナントに直接インポートし、既存のサブスクリプションに統合する」既存テナントへ直接統合すると「完全に独立した管理境界」が失われ、親会社の管理者がそのまま買収企業のリソースにも及んでしまいます。
設問4
金融系企業が、プライマリリージョンの完全な喪失(大規模災害)に備えてストレージアカウントのデータを別リージョンにも保持したいが、平常時に副リージョンのデータへアプリから直接読み取りアクセスする必要はない。最もコスト効率の良い冗長性オプションはどれか。
- LRS
- ZRS
- GRS(正解)
- RA-GRS
解説
GRS(geo冗長ストレージ)はプライマリリージョンでLRS相当の3コピーを保持しつつ、非同期で地理的に離れたペアリージョンにも3コピーを複製します。副リージョンへの読み取りアクセスが不要なら、RA-GRSより安価なGRSで要件を満たせます。
他の選択肢が誤りである理由
- 「LRS」LRSは単一データセンター内の冗長化のみで、リージョン全体の喪失からはデータを保護できません。
- 「ZRS」ZRSはリージョン内のゾーン障害には耐えますが、リージョン全体が失われるケースはカバーしません。
- 「RA-GRS」RA-GRSはGRSに副リージョンの読み取りアクセス機能を追加したものです。読み取りアクセスが不要なこの要件では、その分のコストが無駄になります。
設問5
社内向けの通知APIは、1日のうち数回、数秒間だけ呼び出される程度で、呼び出されない時間帯が大半を占める。インフラのアイドル時課金を避け、コストを最小化しつつ実装したい。最も適した設計はどれか。
- Virtual Machine Scale Setsで最小2台を常時起動する
- Azure Functionsの消費(Consumption)プランで実装する(正解)
- App Serviceの専用(Isolated)プランで実装する
- Azure Kubernetes Serviceで常時1レプリカを稼働させる
解説
呼び出し頻度が低く不規則なワークロードには、実行時間分だけ課金されるFunctionsの消費プランが最もコスト効率に優れます。アイドル時間の課金が発生せず、需要に応じて自動的にスケールします。
他の選択肢が誤りである理由
- 「Virtual Machine Scale Setsで最小2台を常時起動する」常時起動するVMSSは、呼び出されない時間帯もインスタンス代が発生し続けるため、コスト最小化の要件に反します。
- 「App Serviceの専用(Isolated)プランで実装する」Isolatedプランは専用のApp Service環境を占有するため固定コストが発生し、断続的な低頻度呼び出しには過剰です。
- 「Azure Kubernetes Serviceで常時1レプリカを稼働させる」AKSは常時稼働するクラスターとノードの維持コストが発生するため、断続的な低頻度処理のコスト最小化には不向きです。
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